ロータス・エヴォラSスポーツ・レーサー
公開 : 2013.05.09 20:00 更新 : 2017.05.29 19:24
■どんなクルマ?
ロータス・エヴォラSスポーツ・レーサー。何といういい響きだろう。スポーティでレーシーな感じがする。ルックスも良い。フェラーリ458風のスタイリング。
しかし、ちょっとまって欲しい。スペック・シートは、あなたが期待するほどものもではないかもしれない。実際、150以上の改良が施された2009年に発表されたエヴォラ・スポーツ・レーサーとその中身は大きく変わっていないのだ。
ただし、そのパッケージはア・ラ・カルトでオプションを足していくよりは遥かにリーズナブルな内容だ。合計で£11,000(168万円)のオプションとなるプレミアム・ペイント、ブラック・ホイール、テック・パック(ステレオ、MP3、クルーズ・コントロール、パーキング・センサーのセット)、スポーツ・パック(シャープなスロットル・レスポンスの切り替え、ディフューザー、クロス・ドリルド・ディスク・ブレーキのセット)、プレミアム・スポーツ・パック(インテリア・トリム・アップグレード)がセットになっているにもかかわらず、このスポーツ・レーサーの価格は£66,850(1,026万円)なのだ。ベース・モデルが£64,350(988万円)とうことを考えれば、130万円もお得なプライス・タグが掲げられていることになる。
ちなみに、スポーツ・レーサーには、ノーマル・アスピレーション・モデルと、スーパーチャージャーを備えたSモデルが用意される。
■どんな感じ?
確かに、インテリアのクオリティに関しては、今まで乗ったエヴォラの中でもベストとも言えるものだ。しかし、オフセットされたドライビング・ポジションや、高く幅広いシル、そしてドライバーとパッセンジャーが接近していることなど、その基本は変わりない。また、ギアを入れるとセンター・コンソールが細かく震える様は相変わらずだ。そう。これはロータスなのだ。しかし、スポーツ・レーサーは、ロータスに何が望まれているのかをしっかり分かっているので、細かいことは気にする必要はない。
かつてロード・テストでわれわれが「世界最高のハンドリングを持つクルマであり、新しいポルシェ・ケイマンですらその敵ではない」と評価したそのままだ。本物のダイナミックな輝きがこのクルマには存在する。
エヴォラはドライブするのが楽しいクルマであり、それを受け入れるためにはドライバー自身がピュアでなければならないだろう。
■「買い」か?
おそらく、最大の問題は、シュツットガルト製のスポーツカーのように、精度の高いインテリアの設えがされていないことだろう。
しかし、サーキットなり適切なシチュエーションでは、素晴らしい走りを見せてくれる。345bhpのスーパーチャージャー付きのV6ユニットは相応しいサウンドと共に力強さを発揮してくれるのだ。乗り心地、ステアリング、ハンドリングそのすべてがコンペティティブだ。もちろん、われわれが評価した「ベスト・ハンドリング・カー」の称号は揺るぐものではない。
(マット・プライヤー)
ロータス・エヴォラSスポーツ・レーサー
価格 | £66,850(1,026万円) |
最高速度 | 277km/h |
0-100km/h加速 | 4.6秒 |
燃費 | 10.4km/ℓ |
CO2排出量 | 229g/km |
乾燥重量 | 1436kg |
エンジン | V型6気筒3456ccスーパーチャージャー |
最高出力 | 345bhp/7000rpm |
最大トルク | 40.8kg-m/4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |