試乗 マクラーレン600LTスパイダー ベスト・コンバーチブル・スーパーカー

公開 : 2019.02.26 10:10  更新 : 2019.02.27 11:29

 
 

どんな感じ?

軽量でスキのない構成

600LTスパイダー570Sスパイダーと比較して100kgも軽量化されている。多くのコンバーチブルモデルと異なり、マクラーレン製の極めて軽量なカーボンファイバー製のシャシーは、ルーフをなくしたことによる剛性確保のための補強を必要としないことに加えて、サスペンションやエグゾースト周りを軽量なものに置き換え、ガラスの厚さを薄くし、カーボンファイバー製の部位を増やすなどして達成している。車重増を招くようなオプション、エアコンやステレオ、フロント車高リフト機能などを装備しない、最も簡素化された状態での乾燥重量は1297kgとなっている。多くの人は望まないとは思うけれど。

マクラーレン600LTが競争の激しかった2018年のベスト・ドライバーズカーでトップを飾ったのだから、このスパイダーもすでに今年の優勝候補であることは間違いなさそうだ。概してコンバーチブル・モデルは不利な場合が多いことは確かながら、それは補強に伴う重量増や運動性能での妥協が見られるから。しかしマクラーレンのスパイダーの場合、先述の通りそれは当てはまらない。

走行パフォーマンスでのベンチマークとなるのは、よりパワフルで、象徴ともいえる地位を築いている675LTスパイダーだといえるだろう。マクラーレンのエンジニアによれば、新開発のひと回り小さく軽量で、俊敏性を高めた600LTは「675LTスパイダーとほぼ同等のパフォーマンスを発揮します」と話していた。

クルマの構成はすべてにおいてスキがない。パワートレインは鋭く回りたがりの性格で、車内を豊かなノイズで満たしてくれる。ルーフを下げれば、シート直後の薄いガラス製のウインドディフレクターを立てていても、2本のエグゾーストはドライバーのすぐ背後に位置するから、耳元で豊かな美声を味わうこともできる。

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