試乗 マクラーレン600LTスパイダー ベスト・コンバーチブル・スーパーカー
公開 : 2019.02.26 10:10 更新 : 2019.02.27 11:29
比類のないパフォーマンスと実用性
エンジンと7速デュアルクラッチATは素晴らしいコンビネーションを生んでいる。トランスミッションは追い越し加速時など、よりパワーが必要でアクセルに触れると、それを察知したかのように変速してくれる素晴らしい感受性を持っていると思う。もちろん、少しおふざけをしたい時にも、しっかり応えてくれる。クルマは常にレスポンシブで、イキイキとした感覚で溢れている。
特注のピレリPゼロ・トロフェオRタイヤの性能にも助けられているとはいえ、グリップも素晴らしい。グリップ力自体は突出しているわけではないものの、実際のコントロール性には余裕が感じられる。ハンドリングの正確性は高く、ステアリングの重さも最適。他のロードカーでは味わうことができない、豊かなフィーリングとフィードバックを提供してくれる。
そしてロードカーとして、600LTスパイダーが備える実用性も忘れてはいけない。シャシーとパワートレインのモードをノーマルにしておけば、驚くほど民主的に走れる。確かに騒がしいクルマではあるものの決して耐え難いものではないし、サスペンションのしなやかさも充分で、スピードバンプを超えても背中に響くような振動は上手に吸収してくれる。ちなみに、シャシーとパワートレインそれぞれで、スポーツとトラックを選択が可能だ。
エアコンとステレオを選択すれば、最大のライバル、ポルシェ911 GT3RSを超える実用性の高さを備えた、公道を走れるサーキットマシンが完成するだろう。インテリアはスポーティなアルカンターラに包まれ、エクステリアの雰囲気と素晴らしいマッチングを見せている。