ミニ生誕60年 歴史と思い出を振り返る 限界への挑戦、まだまだ続く
公開 : 2019.03.03 07:50
ダカール・カントリーマン 驚異のマシン
驚くべき狂暴さだ。ヘルメットをかぶった頭は、まるで嵐の中の草木のように揺すられ、両足は、まるで操り人形のようにあちこちへと振り回される。それでも何とか踏ん張ってシートに腰を押し付けていないと、ミニが着地した瞬間、高いところから飛び降りたかのような衝撃に、背骨が押しつぶされることになる。
だからこそ、ヤクブ・プリツィゴンスキーの横に座ってペルーの砂漠を疾走する時には、足でバルクヘッドを力いっぱい押し付けて、体を支えておくのが正しいやり方なのだ。
プリツィゴンスキーは、ミニXレイド・ラリーチームに所属する8人のドライバーのひとりとして、5台が出走しているカントリーマンをドライブしており、その他に、チームからはバギーが3台エントリーしている。
エンジンは、BMW X5の3.0ℓ6気筒ディーゼルターボをアルピナがチューンし、その最高出力は363psに達する。
かつてパリ・ダカールと呼ばれたダカールラリーは、多種多様な車両が参加することでも知られており、なかでも、狂ったようにジャンプを繰り返すトラッククラスなどは、普通のトラックドライバーには想像もつかない、もっとも常軌を逸した存在かもしれない。