ミニ生誕60年 歴史と思い出を振り返る 限界への挑戦、まだまだ続く

公開 : 2019.03.03 07:50

経験が重要

勝利には経験が不可欠であり、信頼性も求められる。その点で、2011年以来ミニで参戦を続けてきたXレイドチームには、ラリー界でもっとも信頼できるクルマを常に創り出してきたという実績がある。

その信頼の基礎となるのが、「加工可能な最高強度を誇るスチールを使用した、非常に頑丈なスペースフレーム」だとクヴァントは話している。

溶接作業だけでも3~4週間を要するこのスペースフレームは、いかなる量産モデルをも凌ぐ別次元の強度を持っており、普通のクルマならダカールでは「5分ももたない」とクヴァントは言う。

妙に背の高いXレイド・カントリーマンだが、その空力性能は、BMWのDTMレーサーや、アウディのル・マン優勝マシンを手掛けた企業によって磨き上げられている。

「空気の流入と排出が重要ですが、ボディを通過する空気流速に関係するため、特に排出がポイントとなります」とクヴァントは話しており、つまり、エンジンやブレーキ、そして激しく作動するショックアブソーバーの冷却が極めて需要だということだ。

さらに、このミニの驚くほど高い車高には、3本のスペアタイヤといった予備品を収納する必要があることと、ヘルメットを被った乗員と天井の間に20cmほどのクリアランスを確保するためという理由もあり、リマ近郊にある砂に覆われた無人の荒野を舞台に、プリツィゴンスキーのドライブで行われたシェイクダウンで最初のジャンプを飛んだだけで、この20cmのクリアランスの存在意義を理解することができた。

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