ボディ保護フィルム、始まりはベトナム戦争 F40で知るそのヒミツ
公開 : 2019.03.09 05:50
ボディ保護フィルムの秘密を探るべく、業界トップの製品を取り扱っているショップを訪問しました。小さな傷程度ならば、自分で修復してしまうというこのフィルムですが、その始まりはベトナム戦争にあるようです。ちなみに、今回施工を行うのはなんとF40です。
もくじ
ー ベトナム戦争の思わぬ恩恵 相手はF40
ー Xpelアルティメットプラス
ー 驚くべきコンビネーション
ー 番外編1:施工手順をご紹介
ー 番外編2:保護フィルムを長持ちさせるコツ
ベトナム戦争の思わぬ恩恵 相手はF40
ベトナム戦争が残した数少ない功績のひとつが、米軍が実戦配備していたヘリコプター、ベル・ヒューイのローターブレードを砲弾の破片や飛散するガレキから守るため、3M社が開発した保護フィルムであり、もしこの発明が行われていなければ、この空調の効いたクリーンルームで、フェラーリF40と対面することもなかっただろう。
いま、ジュール・スタージェス・オートモティブを訪れているのは、この保護フィルムという技術がどのようものかを知るためだが、これは「保護」フィルムであり、一部のサッカー選手が好んでいる様な、カモフラ柄のカーフィルムなどでは決してないことにはご注意いただきたい。
無色透明なボディ保護用フィルムであり、ディレクターのルース・ブロミリーとジュール・スタージェスが、ここで何が行われているのか、わたしにも分かるように説明してくれることになっている。
明らかに、わたしの注目はF40にあるが、ジュール自身も、もしこれが他のクルマなら、そんなわたしを許してはくれなかっただろう。
「F40は子供のころからの憧れです。積載車から降ろして、周囲を少し走らせたあとでブースに入れただけなのに、思わずニヤニヤが止まりませんでした」と話している。
この数百万ポンドは下らないフェラーリに近づいてみれば、ボディの仕上げの程度と、さらには、いくつかのボディパネルには何年か前に再塗装が行われているということにすぐに気付く。
1989年製のこのクルマの走行距離はわずか1万5000kmに留まっているが、少なくとも新車時のコンディションを保っているとは言い難く、だからこそ、「保護」を行うべくここにやってきたのだ。