ロードテスト ボルボV60 ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.03.10 09:50

 

はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

V60のエレガントなラインを一瞥するだけで、インゲンラスの仕事ぶりがよくわかる。3シリーズ・ツーリングやCクラス・ステーションワゴンなどの対抗馬となるこのスウェディッシュと、より大型のV 90やXC 60との類似点ははっきりしている。トールハンマーと呼ばれるヘッドライトのデザインはもちろん、L字型のテールライトもそのままだ。

しかしながら、V60の全体的なルックスはボルボであることを否定するものではないとはいえ、鋭いプレスラインが刻まれたボディや、よりテーパーのかかったルーフラインなどのデザイン要素が、ややライバルたちに対抗する目的のはっきりした、たくましささえ感じさせる風貌を演出する助けとなっている。それはスポーティさをにじませるだけでなく、シャープでタイトなプロポーションが身内の上位モデルより小型のラインナップであることも教えてくれるのだ。

洗練されたハンサムなエクステリアの下には、スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)と呼ばれる、ボルボの比較的大型なモデルに共通するプラットフォームが隠れている。全長は4761mm、ホイールベースは2872mmで、4688mmと2865mmであるSUVのXC60より長いだけでなく、BMWやメルセデス、アウディの競合車種も上回る。

このV60は発売当初から、2.0ℓの横置き直4がエンジンラインナップを構成する。テスト車のD4ユニットは、4250rpmで191psを、1750〜2500rpmで40.8kgmを発生するディーゼルだ。駆動方式はFF、トランスミッションは8段ATだが、エントリーグレードでは6段MTも設定。今後はボルボの電動化プランに従い、マイルドハイブリッド2機種とプラグインハイブリッドが順次追加される予定だ。

ホイールは17インチが標準設定だが、テスト車は18インチ仕様。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーンで、リアには横置きリーフスプリングを使用する。フォーコーナーもしくはフォーCと呼称されるアダプティブダンパーは、インスクリプションとインスクリプション・プロの各グレードに750ポンド(約11.3万円)で追加できるが、今回のモメンタム・プロでは選択できない。

ボルボと聞いて予想する通り、安全装備はアクティブもパッシブも数多く用意されている。標準装備されるのはレーンキープアシストや歩行者/自転車/大型動物の検知機能、完全自動停止可能な緊急ブレーキだ。ユーロNCAPの衝突テストはまだ実施されていないが、こうした安全デバイスの存在を考慮すると、好成績を収めるのは間違いないだろう。

テスト車にはさらに、1625ポンド(約24.4万円)のインテリセーフ・プロが追加されていた。これはアダプティブ・クルーズコントロールや自動運転機能のパイロットアシスト、接近する車両や歩行者などの検知機能、追突被害軽減機能、死角インフォメーションを含むパッケージオプションだ。

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