内装　★★★★★★★★★☆

エクステリアと同じく、インテリアでもV60と他のボルボとの関連性は明らかだ。もっとも、XC40だけは例外かもしれないが。XC90やV90ほどの軽快感はないが、それはテスト車の内装がダークな色合いでまとめられているからだろう。しかし、全体的なレイアウトは似通っている。

ダッシュボードの中央には、センサスと銘打たれたインフォテイメントシステムのタッチパネル式9.0インチ縦長ディスプレイが配置され、その両脇には長方形の送風口が効果的にデザインされ組み込まれる。実体スイッチは最小限に抑えられ、引っかかりのあるプラスティックもほとんど見られない。テスト車のモメンタム・プロではうれしいことに、ソフトな感触のプラスティックが多用され、より商品力の優れた高級車らしさを醸し出しているが、豪華さという点では惜しくも十分というまでには至らない。

機能性や実用性も、V60を解説する上で重要な要素であることは間違いない。むしろ、より大型のV90以上に重視されるといってもいいだろう。乗用車では、荷室容量より後席のレッグルームを優先しがちだが、V60で目立つのは荷室の広さの方だ。後席仕様時で658ℓのスペースは、3シリーズやCクラス、A4のワゴンをかなり上回り、最大時は1441ℓに達する。設計も考え抜かれている。開口部は大きく、ラゲッジフックが多く設置されているので細々した荷物までバラつかないように固定できる。フロアはバンパーまで掃き出しで、荷物を滑り込ませるための突起は見られない。

洞窟を思わせるような空間のラゲッジルームは、古き佳きボルボのワゴンを彷彿させるが、それも後席レッグルームの拡大と背反するものではない。背の高いドライバーの後ろに座っても、前席シートバックに脚が圧迫される心配はないほどだ。テスト車には開放感満点なオプションのパノラミックルーフが装備されていたが、それでもヘッドルームは満足いくものだった。

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