英国はカローラをどうみる? 新型トヨタ・カローラ1.8ハイブリッドに試乗
公開 : 2019.03.05 12:05 更新 : 2021.01.28 16:58
どんな感じ?
シャシー性能を活かせないパワートレイン
カローラが搭載するドライブトレインは、基本的に現行のプリウスと同じ。1.8ℓのアトキンソンサイクル・ガソリンエンジンに、トヨタ自慢のダイレクトシフトCVTとハイブリッドシステムという駆動系を備えている。システム総合での最高出力は121psとなり、新基準WLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)複合モードでの燃費は23.0km/ℓで、二酸化炭素の排出量は83g/kmとなっている。
つまり運転感覚としては、プリウスのものと大差はない。特に興奮を誘うような要素はないかわりに、気を使わずにゆったりと走らせることはできる。今回のテストで様々な条件の道を走らせたが、燃費は18km/ℓ以上を表示することも珍しくなく、ロードマナーは穏やかなもの。エンジンの始動時や、ハイブリッド状態と完全にEV状態との切り替えも非常に静かに、気づかないうちに行われる。
発進加速時のトルクは充分で、0-50km/hくらいまでのダッシュ力には少し驚かされるだろう。しかしエンジンが中高回転域以上になると、CVTの悪癖とでもいおうか、回転音とともにエンジンだけが単独で動いているような感覚は隠せない。発進時は活発さを感じられるものの、スピードが乗ってくると走行性能は制限されたように大人しくなり、ドライバーとの関わりの密度も希薄になってしまう。
もし新しいカローラで積極的に走れるパフォーマンスを求めるなら、今回はテストしていないが、ハイブリッドモデルではない1.2ℓターボガソリンを搭載したクルマを選んだ方が良いかもしれない。残念なことに、ハイブリッドのパワートレインは、大幅に向上したシャシー性能を活かしきれていない。スペインで受けた印象と同様だった。