新型ボルボV60クロスカントリー 英国で試乗 才色兼備なステーションワゴン

公開 : 2019.03.19 10:45  更新 : 2019.03.19 10:45

優雅とさえ感じるスムーズな走り

一般道を走らせてみれば、とても良くクッションの効いた快適な乗り心地と、引き締まったボディコントロールという、両立の難しい幅の狭い領域を、申し分のない繊細なバランスで実現している。ソフトなだけでなく、減衰力の立ち上がりも素早いため、走りのスムーズさは優雅とさえ感じられるものでありながら、カーブではスポンジーに頼りなく姿勢を崩すこともない。縦軸方向のクルマの回頭性も、漸進的にコントロールされたマナーに終止する。

その結果、ボルボV60クロスカントリーの走りは極めて安定している。標準のV60の場合、ステアリングホイールの操作感は軽すぎるところがあり、情報もあまり伝わってこないことは確か。しかし、車高が60mm高められ、ボディ外周を黒い樹脂製のパネルで囲われた、悪路での運動性能を高めたクロスカントリーなら、その点は看過できるものになってくる。

反面、D4に搭載されるディーゼルエンジンの性質は、V60クロスカントリーの魅力を下げてしまっている。他のボルボの車と同様に、ディーゼル特有のカリカリというメカニカル音が車内に届いてまうのだ。そのざらついたサウンドトラックに包まれてしまうと、4万ポンド(568万円)近くもする上級志向のクルマでありながら、大自然の中にあっても、車内は安らげるような空間ではなくなってしまう。

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