新型マツダ3(アクセラ)開発車に試乗 新旧・雪上評価で見えた、シャシー制御の進化
公開 : 2019.03.09 09:00
新旧マツダ3 ココが違う
車体設計というと「剛性」の一点張りだが、歪み量を少なくするだけでなく、歪み方が正しくなければ正しい走行情報がドライバーに伝わらない。捻れ変形の時に対角同士車輪の間が一つのバネとして作用するように設計している。波打ったりどちらかの車輪周りだけ歪むようではドライバーの身体は正しく反応できない。つまり、弾性設計を用いて雑音の少ない走行情報をドライバーに伝える訳である。
なお、新旧モデルで乗り心地を比較すると硬さでは同等レベルだが、新型のほうが微小振動も含めて減衰感が高い。硬さの中にしっとりとした落ち着きが感じられた。フレーム周りの変形が綺麗に制御されているためだろう。
付け加えるなら後席はクッション厚が増しているせいもあって新旧の乗り心地改善は前席以上。寸法的には大差ないが、後席乗員への気配りも従来車以上だった。
新型マツダ3の特徴の一部ではあるが、こうして並べていくと共通した一つの事実が浮かび上がる。「人間中心」である。
と言っても上げ膳据え膳ではなく、ドライバーにとっての違和感や無駄な操作を排除し手脚の先のように扱える一体感である。そこには無意識に行っていた操作や体位反射も含まれる。そういった部分は一般的に言う性能とは言い難く、肌触りや安心感のような質感に近いだろう。
新型マツダ3がそういった「人馬一体」の集大成というのは早計かもしれない。進化過程と考えるべきだが、迷いなく進んでいるのが感じられる。雪上限定で限られた範囲とはいうものの、国内デビューへの期待値は高まるばかりである。