ラインの終わりは旅のはじまり 完成車の輸送行程を追う

公開 : 2019.03.16 18:50  更新 : 2021.03.05 21:36

船内のようす

ここで、停泊中に案内してもらった船内の様子をお伝えしよう。まずはフォーマイカ樹脂板敷きの通路を通って、はるかてっぺんにある艦橋へむかう。しかしこのフォーマイカの匂い、なにかに似ていると思ったらあれだ、トレーラーハウスの蒸れた匂いだ。

艦橋では、船長のアンドレア・オレスコにお目にかかることができた。リトアニア人の彼は、10年にもなる任期のほとんどをほかの船員同様にこの船で過ごしてきたのだ。

左右の端まで船をまたぐ艦橋からの見通しはすこぶる良い。こんなにおおきな船を動かすにしては舵輪の可愛さが不釣り合いでおかしいが、そういえば辺りには鉢植えがきれいに並んでいるのもこれまた場違いなかんじだ。

オレスコ船長によると船員はわずかに17名、勤務は3交替制とのことだ。イミンガムまでの航海はおよそ22時間かかるが「航海時間を長く取ってその分速度を落とせば、燃料を節約できます」と語るように、定時運航を守りつつなるべく港での停泊時間を短縮するよう努めているという。航行速度は最高18ノット(33km/h)まで可能だが、経済上は14ノット(26km/h)程度が望ましいそうだ。

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