思わぬトラブルも

船尾にある機関室へもすこしお邪魔した。北海の冷たい風に吹かれたあとでいきなり入ると、やたらと暑い。巨大なエンジンもいまはアイドリングで発電機を動かしているだけなのに、まるで油臭いサウナみたいなのだ。

エンジン自体はマン製のV型12気筒ディーゼルだが、背丈はわたしよりもはるかに高い。船全体の中でこのエンジンだけやけに新しくピカピカだなと思ったら、昨年4月の機関室火災後に載せかえられたとのことだった。

エンジンの出力は超強力な1万2000kWで（1万6000psということだ）、500rpmで定速運転する設計だ。速度調整については、可変ピッチのスクリュープロペラでおこなうことになる。

またも話は飛んで、もう最後となる英国での様子に移る。それもこれも、クルマとともに海を渡る計画が行政上の問題にはばまれてしまったからだ。というのは、イミンガム港は船員以外の旅券処理には対応しておらず、ここからの入国が許されなかったのだ。

まあクックスハーフェンの港でもけっこうな強風が吹き荒れていたから、スタリンバラのキア配送センターにたどり着くのに5mの大波にもまれずに済んだのはせめてもの慰めともいえるが。

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