ヴォグゾールVXR8ツアラー
公開 : 2013.05.13 08:59 更新 : 2017.05.29 18:29
■どんなクルマ?
あなたは英国で販売されているエステートの中で、最も大きな排気量を持つモデルがこのヴォグゾールVXR8であることを知っているだろか。知っているならOKだ。そして、そのブート・スペースがリア・シートを起こしても895ℓ、そしてフラットにすれば2000ℓにまで跳ね上がることを知っているのなら、そしてそれだけのブート・スペースを必要とするのなら、何も考えずに買うことをおすすめする。
新しいホールデン・コモドアが今年後半にデビューする予定ではあるが、このVXR8は、オーストラリア生まれの現行ホールデン・スペシャル・ビークルズ・クラブスポーツの英国バージョンにあたる。
エンジンはリバッジされたサルーンや、マロー・ピックアップと同じように、425bhpを発揮するGM製の6.2ℓLS3 V8エンジンを搭載する。トランスミッションは6速マニュアルが標準で、オートマティックもオプションとして用意される。また、リミテッド・スリップ・デフは標準装備だ。
■どんな感じ?
その強大なパワーを誇るエンジンと2915mmのホイールベースという組み合わせだが、スイッチでオン/オフできるスタビリティ・コントロールを入れておけば、56.0kg-mのトルクでも安定した走行が可能だ。しかし、VXR8は、洗練された£49,500(772万円)のエステートでもなければ、ドイツ・クオリティのキャビンもなく、そのマテリアルも素晴らしいとは言いがたい。しかしVXRのコクピットは機能的で、わかりやすいものであることは確かだ。
室内はとてつもなく広い。それは正しく評価しなければならない点だ。
また、20インチ・ホイールと35プロファイルのタイヤという組み合わせにもかかわらず、乗り心地は意外にも良い。フロント・ストラット、リア・マルチリンクというレイアウトのサスペンションが、思いの外洗練されており、スムーズな乗り心地と直進安定性をもたらしてくれている。更に、ハードなコーナリングでもボディ・ロールは良く抑えらている。
VXR8は高速道路でも軽やかだ。法定速度ではエンジン回転数は1800rpmにすぎない。油圧のパワー・ステアリングもアシストにすぐれ、まっすぐに気持ちよく走ることができる。
ワイディングでは、全長4971mm、全幅1899mmというサイズから想像がつくように決して機敏ではないが、気持ちのよいほどバランスが保たれた走りが可能。ブレーキは、重いノーズをコーナーに押しこむ。状況が許せばテール・ハッピーなドライビングも楽しめるクルマである。
■「買い」か?
アイドリングではゆるやかにクルマは震えるし、低速では唸りを上げる。そういった意味においても、ヴォグゾールVXR8は、楽しみが一杯のクルマだ。そして、何よりもそのブート・スペースの広さは魅力である。
しかし、その反面、£49,500(772万円)もするのに衛星ナビはついていないし、CO2排出量は324g/kmと最悪に近い値を持つ。
広さが必要ならば、購入するに値するクルマではあるが。
(マット・プライヤー)
ヴォグゾールVXR8ツアラー
価格 | £49,500(772万円) |
最高速度 | 250km/h |
0-100km/h加速 | 4.9秒 |
燃費 | 7.4km/ℓ |
CO2排出量 | 324g/km |
乾燥重量 | 1878kg |
エンジン | V型8気筒6162cc/td> |
最高出力 | 425bhp/6000rpm |
最大トルク | 56.0kg-m/4600rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |