フォルクスワーゲンCC GT2.0 TDI 170
公開 : 2012.01.19 16:43 更新 : 2017.05.29 18:59
■どんなクルマ?
マイナーチェンジを受けたフォルクスワーゲン・パサートCCを、もうパサートCCと呼ぶことは許されない。というのも、今回からパサートの名前がなくなり、単にCCと呼ばれることになったからだ。
しかし名前が変わったからといって、クルマ自体が急激に変わったわけではない。新しいフロントグリルとバンパーは付けられたが、VWのエンブレムはフロントグリルの中央に鎮座している。リアもバンパーとLEDライトが採用されたに留まる。
後席は3つのシートベルトのついた(標準装備)3人乗りシートが標準で、オプションとして独立した2シーターも選べる。
エンジンは1.8TSIには158bhp、2.0TSIには207bhpのガソリンが、2.0TDIには138bhpか168bhpのディーゼルが選択できる。このうちディーゼルに最も適していると思われるのが6速マニュアルギアボックスで、われわれもこの組み合わせをテストした。
■どんな感じ?
バッヂは変わったかもしれない。しかし、CCはパサート・ファミリーの一員であったことをしっかりと感じさせてくれる。快適性を最も重用視して造られている。CCになって大きく変わったのは、スタイリングではなく、ドア、フロントスクリーン、サイドウィンドー、アンダーフロアに施された防音材の増加だ。パサートCCも決してうるさいクルマではなかったが、CCはハイウェイを走っていても本当に静かである。
英国で最も売れるであろう168bhp版のディーゼルモデルの装備の大きな特徴のひとつはXDS電子ディファレンシャルである。これは207bhpのTSIと168bhpのTDI CCに標準で装備されている。これはコーナリング時に、より大きなトラクションをもたらしてくれる。これはドライバーへのフィードバックが少なかったパサートCCの欠点を見事にカバーした。CCは、コーナーからの立ち上がり時、姿勢を乱すことはない。更にトップエンドのGTモデルであれば、調整式のダンパー・ユニットも装着される。
姿勢は、若干段差のある路面以外では安定しているし、乗り心地も快適そのもの。但し、GTモデルに装着されている18インチのアロイホイールと超扁平タイヤが、ほんの少しばかりその乗り心地をスポイルしてしまっているかもしれない。
高速道路はまさにCCの独壇場だ。毎日数百マイルを走る人であれば、そのスムーズで静かな乗り心地に稼働するはずだ。
エンジンは24.5km/lという高い燃費をマークする。それは、高いギア比の6速ギアボックスのおかげでもある。
■「買い」か?
VWは、派手な外観の変化ではなく堅実な変化をCCにもたらした。従来、ミドル層がパサートCCを選ぶのは間違いではなかった。しかし、CCは、更に独自のアイデンティティを持つ、恐らくVWの中で最も望ましいモデルだということができる。他の多くのライバルに対しても優位な点は多い。その最初の発表から4年たった今でも、4ドアサルーンに対する真摯な作り評価されるべきである。
(マーク・ティショー)
フォルクスワーゲンCC GT2.0 TDI 170
価格 | 28,620ポンド(3,434,400円) |
最高速度 | 226km/h |
0-100km/h加速 | 8.6秒 |
燃費 | 24.5km/l |
Co2排出量 | 190g/km |
乾燥重量 | 1557kg |
エンジン | 直4ターボディーゼル1968cc |
最高出力 | 168bhp/4200rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/1750-2500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |