結論　★★★★★★★★★☆

「熱いパフォーマンス、完璧な運動性、粋なスタイリングを併せ持ったクルマだ」

Tロックは、ここ最近増殖を続けるコンパクトSUVのうちの一台だが、その混戦の中でも一線を画す、とりわけ注目し、関わりあうべきモデルであることが明確になった。ルックスについては、スタイリッシュさや購買意欲を刺激する商品力に着目するかもしれないが、テスター陣のほとんどが評価したのは、好ましいコンパクトさとクーペ風の軽快さ、SUVの力強さ、そしてフォルクスワーゲンらしいスマートさを併せ持った非常に抜け目ないビジュアルだ。スタイリング面での高評価は覆しようがない。

価格は、このセグメントでは高めの設定で、それをどう受け止めるかは、より大型のクロスオーバーが備えるような室内の実用性を求めるか否かによって変わるところだ。実際、後席の快適性はわずかながら物足りなさを覚え、価格に対する素材の質感レベルも満足しかねる。それらをもって、われわれはクロスオーバーハッチバックのトップ争いで、現時点ではセアト・アテカに一歩譲る2位に、Tロックをランキングする、

とはいうものの、元気なパフォーマンスも、洗練された乗り味も、ハンドリングも、このクラスでは稀有なハイレベルにある。チャンピオンは逃したけれど、オートカー好みのクロスオーバーだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

フォルクスワーゲンの第2世代アクティブインフォディスプレイは、その先進性でキャビンを華々しく演出する。ディスプレイのモード切り替えは扱いやすいが、それらのほとんどで、シンプルな丸い速度計と回転計が表示されないのが不満だ。

サイモン・デイヴィス

Tロックの個人的なハイライトはハンドリングで、2.0TSIエンジンのパンチも十分。とはいえ、500万円近いクルマとは思えないほど低クオリティなインテリアのマテリアルには、悪い意味で驚かされた。

オプション追加のアドバイス

最上位の2.0TSIは素晴らしいエンジンだが、より賢い選択は150psの1.5TSIを積む前輪駆動モデル、そのデザイン仕様だろう。その場合、405ポンド（約6.1万円）のアクティブインフォディスプレイ、880ポンド（約13.2万円）のLEDヘッドライト、1130ポンド（約17万円）のディスカバー・ナビゲーション、1025ポンド（約15.4万円）のダイナミックシャシーコントロールは追加したい。

改善してほしいポイント

・後席スペースを拡大できるよう、シート形状の見直しを。
・キャビンから、硬くテカテカした安っぽいプラスティックを減らしてほしい。
・最上級モデルの価格設定を、もう少し低くしてほしい。

すべての画像をみる　全40枚