変化が求められるF1 三強の現状、いかに崩すか 元F1ドライバーの解説者に聞く

公開 : 2019.03.21 11:50

ジョリオンが見るF1チーム

メルセデス-AMG

「ルイスは誰にとっても歴代ベストドライバーのひとりに数えられるでしょう。今後はさらにすごくなっていくかも知れません。前年は総じて戦闘力に劣るマシンでしたが、見事勝利を飾りました。個人的にはボッタスは残念に思います。彼はマシンのポテンシャル通りのパフォーマンスをだし、チームメイトとしてはベストでしたが、何か非凡なことか、ウイングマンとして十分に役割を果たすべきでした」

フェラーリ

「フェラーリはルクレールに、ベッテルの後ろに控えて学ぶよう仕向けるつもりですが、彼はタイトルを取りたいと考えるでしょう。経験を重視するフェラーリにとって彼は良い選択肢です。ベッテルは依然とても速いが、リチャルドと走ったレッドブル時代と同様の状況になることも考えられます。ウェバーとはうまくいっていたが、2014年にリチャルドが加入すると、ベッテルは正面から叩き潰したからです。第1戦へのプレッシャーは誰よりかかっているでしょう」

レッドブル

「レッドブルが善戦できることを期待しています。ホンダ製エンジンの採用は大きな変化だが、良い選択となるでしょう。昨年トロロッソはホンダエンジンで活躍し、ホンダは成績を改善しつつあります。フェルスタッペンは2018シーズンにはハミルトンと同レベルの走りを見せましたが、マシンと合わせると表彰台常連になる可能性もあります。ガスリーは判断が難しいところです。昨年は彼にとって良いシーズンでしたが、比較できる相手はハートレイしかいないためです」

マクラーレン

「マクラーレンは昨年最大の失望で、マシン以上の走りをしていたアロンソが離脱しました。それでも、昨年のマシンは最悪で資金も得たため、昨年よりはかなり良い成績が望めるでしょう。しかも、サインツは調子がよければ非常に力強い走りを見せるし、ランド・ノリスも全戦に渡って彼に迫っていくことでしょう」

ルノー

「ルノーはドライバーのラインナップでひどい目にあいました。リチャルドは良いドライバーだし、ヒュルケンベルグが過小評価されていることは間違いありません。中堅チームの中では優れたシャシや豊富な資金を持っているため、ビッグ3を除けば最高のチームのはずです。しかし、それも良いエンジンがあってこそです。今年のエンジンは強力なったように見えるが、実際のレースでは微々たる差だと聞いています」

ハース

「メルセデスを除けば、ドライバーを変更しなかった唯一のチームです(グロージャン、マグヌッセン)。ハースはF1に参戦してから好調を維持しています。しかし、エンジンはフェラーリから、シャシもダラーラから提供を受けているため、資金は切迫しています。マシンについてトロロッソとレッドブルBチームよりも、フェラーリとハースの重複は大きく、ルノーは不公平だと考えています。しかし、総じてF1にとってハースは良い存在です」

レーシング・ポイント(前フォース・インディア)

「資金が得られたのだから、もっと良い成績でもよかったはずです。ストロールは後ろ盾がなければF1にいられなかったでしょう。成長が望まれるが、チームメイトのペレスとうまくいけば良い成績を残せるかもしれません。ペレスは過小評価されています。表彰台の機会があれば、きっとチャンスをものにするでしょう。昨年も、ほとんどのチャンスを結果に結びつけていました。

ウィリアムズ

「マシンのデザインをやり直さない限り、今年もタフなシーズンが続くでしょう。クビサは一種の賭けですね。怪我による身体的な減退はさておき、これほど長い期間前線を離れて復帰した選手などこれまでいませんから。ですが、これのおかげでジョージ・ラッセルのプレッシャーは減るでしょう。クビカよりも速いか遅いかはわかりませんが」

アルファ・ロメオ・レーシング(前ザウバー)

「キミはアルファにとって拾い物です。昨年彼はまだ勝てることを証明しましたし、チームを煩わせることはないでしょう。依然として十分に速いはずですし、チームは彼から多くを学ぶことができるでしょう。アントニオ・ジョヴィナッツィも良いドライバーです。2017シーズンのはじめに二度出走していますが、これで彼を判断するのはフェアではないでしょう。少なくとも、F1にふさわしい能力を持つドライバーです。

トロロッソ

「ダニール・クビアトの再加入は思いがけない選択でした。チームは一度彼を解雇していますが、調子がいい時は十分速く、レッドブルからの勧誘があったのも忘れてはいけません。しかし、それでも異様なチームです。英国とタイのハーフであるアレクサンダー・アルボンも興味深い存在です。目覚ましい戦績は挙げられないまでも、良いドライバーなのは間違いないでしょう」

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