ロードテスト ジープ・コンパス ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2019.03.31 09:50

 

はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

旧モデルはいささか不恰好なところがあったが、新型はジープの無骨さとある程度の洗練性を併せ持つ。アイコン的な7穴グリルはフロントの堂々たるルックスに寄与し、角形のホイールアーチとワイドなスタンスは、既存のソフトローダーより存在感を強めている。

このエクステリアの下には、フィアットクライスラー(FCA)のスモール・ワイド・アーキテクチャーと銘打たれたプラットフォームが隠れている。これはより小型のレネゲードにも用いられるコンポーネンツだが、こちらはホイールベース延長版だ。エンジンはガソリンもディーゼルも4気筒で、テスト車に搭載されているのは2.0ℓディーゼル・140psのマルチジェットⅡ。これに、四輪駆動と6段MTを組み合わせた仕様である。

コンパクトSUVの大半は、オフロードといっても草地や森の中の少々ぬかるんだ駐車場程度に舞台が限られる。ところがジープは、コンパスが悪路でもクラスをリードするみごとな走りを提供してくれると謳う。サスペンションはコイルスプリングを用い、フロントにマクファーソンストラットを採用。リアはチャップマンストラットだが、これは簡易版マルチリンクと言い換えてもいい。これらが、アクスルの優れたコントロール性能を生むと思われる。高強度スティールのリンクと四駆モデルのサブフレームもまた、オフロードでの堅牢性に寄与するだろう。

GKM製のクラッチを使用した4WDシステムは、後輪駆動力の断絶機構とパワーテイクオフユニットが組み込まれている。通常時には、前輪のみを駆動して燃費向上を図り、トラクション不足を検知した場合には後輪にも動力を伝送する。4WDロック機構も備えるが、オート/スノー/サンド/マッドの走行モードが選べるジープ独自のセレクテレインシステムも採用されている。

われわれのロードテストでは、オフロード性能を精査することはないが、テクニカルスペックを見る限り、ライバルに勝るであろうことは予想できる。最低地上高は215mmで、ランプブレークオーバー角は22.9°だが、フォルクスワーゲンティグアンより15mm高く、2.9°上回る。ボルボXC40の場合は、211mmと22°で、かなり数値が近い。渡河深度は、コンパスが406.5mm、XC40が450mmだ。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事