ロードテスト ジープ・コンパス ★★★★★★☆☆☆☆
公開 : 2019.03.31 09:50
内装 ★★★★★★☆☆☆☆
ジープはコンパスを、3年前に発売したレネゲードよりも熟成と洗練を重ねたマーケットへ投入した。レネゲードのインテリアは、ヴィジュアル的な色香や目新しさは少ないが、より洗練され豪華な雰囲気や上質感を狙ったものなのは明らかだった。
しかし、コンパクトSUVは質感や組み付け、仕上げの水準が高まっていることを考えると、テスト車の比較的プレーンでモノトーンな、ありふれた感じのキャビンで、強い印象を与えることは難しい。コンパスの室内に使われているパーツは、たしかにマテリアルの高級感を目指した試みを体現しているが、センターアームレストのチープなレザーなどを見れば、全面的に成功しているとはいえない。よくできている部分もあるのだが、エアコン/ヘッドライト/インフォテインメントの各操作部など、ティグアンやXC40といったライバルに見劣りする箇所の方が多い。
キャビンはまずまず快適で、おおむね感じがよい。テスト車のフロントシートは、フラットでサポート性にやや不足を感じ、ヘッドレストの調整が背の高いドライバーがゆったり過ごすには十分ではない。それらを除けば、エルゴノミック関連の操作部レイアウトやアジャスト性は良好だ。
クラス水準に照らして、取り立てて広々したスペースを持つクルマではないが、ライバルに太刀打ちできないほどでもない。前後席ともヘッドルームは2面サンルーフに侵食され、740mmの後席レッグルームはアベレージにとどまる。荷室容量は、ティグアンやDS7クロスバック、マツダCX-5などに及ばないが、テスト車の場合はオプションのスペアタイヤにより多少の深さが犠牲になっていたことを断っておきたい。
計器類は鮮明だ。トリップコンピューターは読み取りやすく、ステアリングホイールのスポークに据えられたスイッチでの操作もイージーだ。また、テスト車には後席用のUSBポートと3ピンACソケットが備わっていた。後者は、タブレットPCや消費電力の多いモバイルデバイスの充電に最適だ。