新型BMW 3シリーズ 330i Mスポーツに試乗 完成度は高 大きさが難点
公開 : 2019.03.20 10:25
やっぱり3は走りが肝心
Dセグ・サルーンの中でも特に3シリーズに期待してしまうのはやはり走りだ。
以前の3シリーズは国産車ならFF、4気筒と相場が決まっていたボディサイズにFRレイアウト+直6を詰め込んでアドバンテージを得ていたが、現代の3の長所はスポーティなハンドリングである。
太めのステアリングを微かに切ったところから車幅が増したフロントがググッと沈み込み、前輪でアスファルトを鷲掴みにするような水平移動がはじまる。
目隠しして「これが新型M3ですよ」と言われたら、そんなもんかと思ってしまうくらい、新型3シリーズは走りの質感も相当に高いのである。
とはいえ今回の試乗車はフルオプションに近く、アダプティブMサスペンションやMスポーツ・ディファレンシャルを備えていたわけだが、硬いボディがやけに軽く感じられたので、新型3シリーズ自体の素性が相当にスポーティであることは間違いない。
最大の進化は運転支援にアリ
近年の新型車試乗ではオートクルーズ機能のチェックが欠かせない。
BMWで言うところのACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)である。ステアリング上のスイッチでシステムを起動させ、ダイヤルでスピードを設定すると、あとは前走車との距離を一定に保って走ってくれる。
今となっては常識ともいえる機能だが、新型3シリーズは「3つ目」のおかげでACCの走行軌道が格段に滑らかになっていて驚かされた。
最も滑らかなメルセデスやボルボですら、直線路でも右~左~右と微かに蛇行しており、コーナーではカクッ、カクッと多角形コーナリングしていた。
運転をクルマ任せにしているとはいえ、こちらはちゃんと仕事してくれるかソワソワしていたのである。
それが新型3シリーズは、ハンドリングも加速も減速もこれまでで最高レベルに上手い。運転の上手いひとは遠くを見て運転しているというが、まさに長距離のカメラが効いているのかもしれない。