ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スパイダー・パフォーマンテ・エディツィオーネ・テクニカ
公開 : 2013.05.14 19:18 更新 : 2017.05.29 19:21
■どんなクルマ?
今年で10年目を迎える、そして伝えられるところによれば来年遂に後継モデルが登場すると噂されるランボルギーニのベストセラー・モデル、ガヤルド・スパイダーの最終モデルともいえるのが、このガヤルドLP570-4スパイダー・パフォーマンテ・エディツィオーネ・テクニカだ。
このエディツィオーネ・テクニカは、クーペのトップ・バージョンであるスーパーレッジェッラと、スパイダーのトップ・バージョンであるパフォーマンテに、更に磨きをかけたモデルである。カーボンファイバーのパーツが多く使われ、アルカンタラの内装、レーシング・ストライプ、そしてリアには固定式のウイングを持つ。また、セラミック・カーボン・ブレーキがフロントに標準となる。
それ以外はスーパーレジェッラ/パフォーマンテと変わりない。エンジンは5.2ℓのV10で、そのパワーは562bhp。トランミッションはオートメーション化されたマニュアル・ギアボックスで(R8のようなデュアル・クラッチではない)、4WDシステムによって駆動は伝えられる。
■どんな感じ?
ガヤルドを見ていると、本当に10年経ったクルマとは思えない。エディツィオーネ・テクニカは、パフォーマンテよりもそのエグゾースト・サウンドは大きく、まわりに「ルック・アット・ミー」と主張しているようだ。そのV10エンジン・サウンドは低回転では唸っているだけだが、8500rpmのレッドゾーンになると、とりわけフラップをコルサ・モードにしておけば、反社会的な叫びを奏でる。そして、スーパーレジェッラと違いルーフのないパフォーマンテの場合、とりわけそのサウンドがドライバーに伝わってくる。
エディツィオーネ・テクニカのドライブ・フィールはパフォーマンテと変わることはない。4WDによってトルクを路面にしっかり伝えるだけでなく、直線でも馬鹿げたぐらいクイックなクルマである。0-100km/h3.7秒の公式アナウンスも適切と言えるだろう。ストレートでは、その甘いハンドリングによってバックアップされるが、コーナリングでは、ほとんどロールを感じさせず高いグリップを持つ。カーボン・セラミックのブレーキも強力で、確実な制動力を見せてくれる。
驚くことに、パフォーマンテは、長旅をするにも快適なクルマなのだ。サスペンション・トラベルも大きく、耳栓が必要でない速度域でのドライブでは弾力性のある乗り心地を提供してくれるのだ。
■「買い」か?
ガヤルドLP570-4スパイダー・パフォーマンテは素晴らしいクルマであり、その上の装備を施したエディツィオーネ・テクニカは更に良い。しかし、10年という長いライフスパンを終えようとしているモデルでもあるのだ。この後継モデルは間違いなくガヤルドより速くて、よりグリップ力もあり、安定していることだろう。
10年経った今でもガヤルドの基本的な健全性は保たれている。但し、インテリアに関してはライバルたるフェラーリ458と較べると設計の旧さを感じ得ない。しかし、この手の美しいクルマであっても、10年間という期間は長すぎた。現時点でスーパーカーの1台として推薦するにはちょっと無理があるかもしれない。
(マーク・ティショー)
ランボルギーニ・ガヤルドLP570-4スパイダー・パフォーマンテ・エディツィオーネ・テクニカ
価格 | £194,707(3,028万円) |
最高速度 | 325km/h |
0-100km/h加速 | 3.7秒 |
燃費 | 6.8km/ℓ |
CO2排出量 | 352g/km |
乾燥重量 | 1410kg |
エンジン | V型10気筒5204cc |
最高出力 | 562bhp/8000rpm |
最大トルク | 54.9kg-m/6500rpm |
ギアボックス | 6速オートメイテド・マニュアル |