キア・シード1.6 CRDi 4

公開 : 2012.03.29 12:00  更新 : 2021.03.05 21:39

■どんなクルマ?

同じCセグメントにはさしたるライバルはおらず革命も起きないと高を括っていたフォルクスワーゲン・ゴルフフォード・フォーカスにとって、遥か極東、韓国からやってきたキア・シードは脅威となるかもしれない。

その第2世代のキア・シードとヒュンダイi30は非常に近い兄弟車だ。キアはこのシードを完全なニューカーであると主張してはいるが、ホイールベースは現行のシードと同じばかりか、多くにおいて紋切り型のモデルではある。現在のところ、3ドア・ハッチバックのみのラインナップだが、キアによれば今年末にはエステートが追加され、来年の今頃には「プロシード」と名づけられたホット・モデルが追加される予定であるという。

現時点ではエンジンは1.4リッターと1.6リッターのガソリンとディーゼルが搭載される。よりパワフルなエンジンは件のプロシードに積まれることになる。

■どんな感じ?

第一印象で感じたとおり、シードは新しいクラス・リーダーになるかもしれない。ピーター・シュライアーがシードにグッド・デザインをもたらしたと思うのであれば、そのシートに座ることをおすすめする。

そのクオリティはフォルクスワーゲンにも対抗できるもので、最も上級のグレードであれば、その豪華さについて多くは述べることはないほどだ。品質もそうだが、装備も十分なものがある。また、シードはこのクラスでも特に広大なトランク・スペースを持っている。

ベストセラーは1.6のディーゼルだ。24km/l台に近い燃費にも驚くが、そのエンジン・パフォーマンスも洗練されている。

しかし問題もある。簡単にいえば、時期ヒュンダイi30のスポーツ・モデルにあわせて、キアはシードにこのクラスには適さないスプリングを与えてしまったのだ。滑らかなヨーロッパの道でさえシードの足回りは固い。それは、快適性をも犠牲にする。

新しい6速ダブル・クラッチのギアボックスを付けた1.6リッター・ガソリン・エンジンに乗ることもできた。ギアボックスは非常に優れていたものであったが、エンジンはスムーズさにかけており個性的でもなかった。

■「買い」か?

このマーケットにおいては、その乗り心地が重要となる。シードのサスペンションの酷さが問題だ。但し、14,000ポンド(180万円)から20,000ポンド(270万円)強という価格は十分に説得力のあるものだし、7年の品質保証という点も魅力的だ。

このクラスは恐ろしいぐらい競争の激しいクラスである。そして、残念ながらフォード・フォーカスやフォルクスワーゲン・ゴルフのほうが優っているといえる。ライバルとなるのは兄弟車であるヒュンダイi30だろうか。

(ギルス・ニュートン)

キア・シード1.6 CRDi 4

価格 21,500ポンド(284万円)
最高速度 198km/h
0-100km/h加速 10.9秒
燃費 24.4km/l
Co2排出量 109g/km
乾燥重量 1367kg
エンジン 直列4気筒1582ccターボ・ディーゼル
最高出力 126bhp/4000rpm
最大トルク 25.4kg-m/1900rpm

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