アンダー100ps パワーがなくても楽しめる乗り物5種 どれを選ぶ?
公開 : 2019.03.30 07:50 更新 : 2019.03.31 10:32
スマート・ロードスター・クーペ・コンバーチブル
わたしの姉とゴードン・マレーの唯一の共通点は、スマート・ロードスターを所有しているということだ。彼らはその欠点を認識しながらもこのクルマを溺愛している。この小さなスマートは狭い峠にうってつけのスポーツカーであり、21世紀版のオースティン・ヒーレー・スプライトともいえる。
わずか80psの3気筒ターボを搭載するこのクルマは今回の条件にも合致している。ロードスターにはふたつのバージョンが設定されており、ノッチバックのシンプルなロードスターと、このロードスター・クーペ・コンバーチブルが存在する。後者の方がやや重く815kgあるが、それでもパワーウエイトレシオは98ps/トンだ。
このクルマの楽しさの秘密はそのサイズにある。現行ポルシェ911やフェラーリでは走るだけで難儀するような田舎の狭い道でも困らないというだけではなく、小ささゆえに実際よりもはるかに速く走っている気分になれるのだ。
スマートのアキレス腱は、水漏れを除けばその6速シーケンシャル・ギアボックスくらいだろう。動作は不躾でぎこちないが、慣れれば思った通りに動かすことができる。
スマート・ロードスターは2003年から2006年までのわずか3年間しか販売されなかった。ほとんど利益を産まなかっただけでなく、保証期間中のクレームが多発したためだ。不具合を解消してもう少し長く生産し続けてほしかったクルマの一台だ。