三菱デリカD:5 公道で試乗 内外装/安全装備を更新 設計の古さも散見
公開 : 2019.03.25 19:10 更新 : 2021.09.11 00:20
設計の古さも散見される
デリカD:5は、発売から12年を経過したこともあり、購入時にはいくつか確認すべき注意点がある。
まず最低地上高に余裕を持たせたフラットフロア構造のミニバンだから、床が高い。低床設計のトヨタヴォクシー/ノア/エスクァイアやホンダステップワゴンに比べると、少なくとも80mmは高い。乗降時にはサイドステップ(小さな階段)を使うが、幼い子供や高齢者のいる家庭では、乗り降りのしやすさを確認したい。
ボディサイズは全長が4800mm、全幅は1795mmだからさほど大きくないが、最小回転半径は5.6mなので少し大回りになる。車庫入れや縦列駐車を行って取りまわし性を確認したい。
運転姿勢については、ハンドルを上下に調節するチルト機能は備わるが、前後調節のテレスコピック機能はない。正しい運転姿勢を取れるか確かめる。
3列目のシートは、左右に持ち上げて格納すると、広い荷室になって自転車のような大きな荷物を積める。3列目を持ち上げる時には、ほかのミニバンに比べて、シートが重く感じる。ヴォクシー/ノア/エスクァイアはレバー操作だけで持ち上がるから、デリカD:5の使い勝手は見劣りする。
このようにデリカD:5には、設計の古さも散見されるが、クルマの基本機能とされる走行性能や乗り心地は大幅に進化した。緊急自動ブレーキを作動できる安全装備と運転支援機能も備わる。前述の乗降性や使い勝手に不満がなければ、選ぶ価値は高い。
機能や装備の割に価格を抑えた買い得グレードは、標準ボディのGパワーパッケージ(408万2400円/アーバンギアは420万7680円)になる。このグレードを選び、メーカーオプションでは、安全性を向上させる後側方車両検知警報システムなどのセットオプション(4万8600円)、マルチアラウンドモニター&自動防眩ルームミラー(5万9400円)の装着を検討すると良い。
なおクリーンディーゼルターボはクリーンエネルギー自動車とされるから、燃費数値に関係なく、エコカー減税が免税(100%の減税)になる。価格は4WDの装着もあって高めだが、購入時の諸費用は抑えやすい。
またJC08モード燃費は13.6km/ℓ、WLTCモード燃費は12.6km/ℓとされる。軽油価格の安さを考慮すると、燃料代は日産セレナ、トヨタヴォクシー/ノア/エスクァイアのノーマルエンジン搭載車と同等だ。
実用回転域の駆動力は、ガソリンエンジンに換算すると3.5ℓに相当するから、ディーゼルは効率が優れている。
三菱デリカD:5のスペック
価格 | 385〜425万円 |
全長×全幅×全高 | 4800×1795×1875mm |
最高速度 | – |
0-100km/h加速 | – |
燃費 | 13.6km/ℓ |
CO2排出量 | – |
車両重量 | 1930-1960kg |
パワートレイン | 直列4気筒2267ccターボ |
使用燃料 | 軽油 |
最高出力 | 145ps/3500rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |