新型に試乗 8代目992型 ポルシェ911カレラ4S 季節を問わぬ誘惑
公開 : 2019.03.26 10:50 更新 : 2019.03.26 11:17
911らしいスロットル操作でのコーナリング
ポルシェは新しいターボチャージャーには吸気ノイズを大きくしドラマ性をもたせたと主張しているが、シュツットガルト・ツフェンハウゼン流の、ストロークが短いオーバースクエアならではのサウンドも楽しみたい向きもあるだろう。圧倒されるほどのボリュームではないものの、しっかり聞き取ることはできるから、ご心配なく。
今回の試乗車はリアアクスル ・ステアリングにアクティブ・アンチロールバーに加えて、スポーツサスペンションが装備された4輪駆動のカレラ4Sだったが、乗り心地とハンドリングのバランスは、極めて優れており、自然なものだった。先代の991よりも、タイトコーナーでの俊敏性と鋭さは明確に向上しているうえに、911に期待するダイナミックさを犠牲にすることなく、大きなうねりやバンプを超えたときの垂直方向の落ち着きも獲得している。
シャシーの限界に近づくに連れ、リア寄りの重量配分のおかげで、ペダル入力に対してハンドリングは一層イキイキとしたものに変化していく。4輪駆動のカレラ4Sでも、911のコーナリングスタンスはスロットル操作によってバランスされることに変わりはない。速く走るには、コーナリング途中で思慮深いパワーの足し引きが欠かせない。
ポルシェ911の卓越した操縦性は、ドライバーが望めばこれまで以上に没入できるものになったと思う。しかも穏やかに走っていても、しなやかで正確性が増していることも感じ取れるものだった。