マクラーレン新カーボン製モノセル、ハイブリッド対応 プロトタイプが完成
公開 : 2019.03.26 18:40
カーボン製タブを内製化するメリットとは
昨年11月に行われたMCTCの落成式では、シェフィールドとロザラムの地方議員や、多くの地元関係者、そして施設で働くエンジニア達が見守る中、カーボンファイバー製記念プラークが公開された。
落成式典で行われたイベントで、ハイパーカーのマクラーレン・セナはドーナツターンを披露。約7000平方メートルの敷地に立つ新しい工場の床に「洗礼」を浴びせた。
MCTCのプロジェクト責任者を務めるケン・スマートは、落成式典で次のように語った。
「われわれがこの施設を建てた理由には2つの重大な意味があります。1つ目は、タブの製造を管理することで、これまで以上に柔軟なデザインが可能になること。クルマを開発する際、そのクルマの特性に合わせてタブの設計を変えることができます」
「クルマのダイナミクス、エルゴノミクス、キャビンのスペース、ドライビング・ポジション、視界、乗降性など、お客様にとって重要な要素を最適な設計することができるのです」
「2つ目は、おそらく最も重要なことですが、開発過程から連続的に学ぶ機会が得られるということです。1つの問題を解決する度に、われわれは新しい知識を得ることができます」
「これによってわれわれは、構造的整合性を保ちながら設計を変更できる能力が得られます。さらに、製造過程を最適化する能力も得られます。このテクノロジーを内製にすることは、カーボンファイバー製タブの開発と設計のペースを引き上げる好機でもあります」
また、新施設はマクラーレンによると1000万ポンド(約15億円)規模の経費削減につながるという。MCTCには他社にカーボンファイバー製コンポーネントを供給する可能性もあるとのこと。なぜなら、遠くない未来に向けたマクラーレンの生産目標に対し、工場が完全に稼働した際には、生産能力に余剰が見込めるからだ。