BMW 320d GT モダン
公開 : 2013.05.15 14:40 更新 : 2017.05.29 18:00
■どんなクルマ?
3シリーズGTは、サルーンのドライビング・キャラクターと、ツーリングの持つスペース、そしてSUVのようなドライビング・ポジションを持ったクルマだ。シンプルに言えば、3シリーズのハッチバック・モデルである。
今回、右ハンドルの英国仕様の3シリーズGTのステアリングを握る機会に恵まれた。そのグレードは、最もポピュラーな320dである。
■どんな感じ?
3シリーズGTは、ひとまわり大きな5シリーズGTからインスピレーションを受けたモデルである。フォード・モンデオやヴォグゾール・インシグニアのハッチバック・モデルと異なるのは、サルーンのリア部分を改変しただけのモデルではないということだ。そのデザイン・テイストはMPVやSUVに近いと言っても良い。
その魅力は大きな室内だ。リア・シートには充分に脚を伸ばすことのできるスペースが3人のために確保されている。ブート・スペースは標準で520ℓ、60/40のリア・シートを倒せば1600ℓにまでサイズ・アップする。
スタイリング的には3シリーズGTは、スタンダードな3シリーズとは異なる独特なデザインだ。また、5シリーズGTほど不恰好ではない。とはいえ、繊細さにはまだまだ欠けているように思える。
そのフロント・キャビンはサルーンやエステートのアイデンティティが引き継がれているものの、そのドライビング・ポジションはどちらかというとX1に近い。
3シリーズGTは、ドライブしていて楽しいクルマである。MPVのファッショナブルなカタチをBMWは生み出そうとしているのかもしれない。確かにそのドライビング・フィールは、サルーンほどダイナミックではないが。
オプションで£750(11.6万円)のMスポーツ・ダンパーが試乗車には付けられていたが、本当にしなやかな足まわりで、サルーンよりも重たいGTのボディ・ウエイトを見事にカバーしている。とりわけ、滑らかな表面の道路だとなおさらだ。しかし、スポーツ・モードはあまりいただけない。路面の凹凸が伝わってきてしまうからだ。従って、スタンダード・モードでドライブを愉しむのが正解だ。
ステアリングは適度な重さもあり、レスポンスも良い。3シリーズGTは、ダイナミックなレパートリーで興奮させるほどのものは持っていないが、本当に運転していて楽しいクルマなのだ。
エンジンは、充分に活発で、スロットル・ペダルを床まで踏み込むようなシチューエーションには滅多に出会わない。アイドリングでのサウンドはやや大きい。また、8速のオートマティック・トランスミッションのシフトもスムーズで、静かであった。
■「買い」か?
3シリーズGTのコンセプトを理解することが出来る人にとっては、何の心配もいらないクルマだ。サルーンよりも£2,600(40万円)、ツーリングよりも£1,300(20万円)高い価格は、スペースのために使われることになるのだ。
(マーク・ティショー)
BMW 320d GT モダン
価格 | £30,910(481万円) |
最高速度 | 225km/h |
0-100km/h加速 | 7.9秒 |
燃費 | 20.9km/ℓ |
CO2排出量 | 127g/km |
乾燥重量 | 1575kg |
エンジン | 直列4気筒1995ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 182bhp/4000rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/1750-2750rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |