三菱デリカD:5 雪上テスト、走破性は 新型/ディーゼルの価値も検証
公開 : 2019.03.27 11:40 更新 : 2021.09.11 00:20
想像以上に厳しいテスト環境
深い新雪は腹擦りを起こしやすいが、雪が柔らかいのでそれほど大きな問題はない。硬く引き締まった層までタイヤが届けば駆動力は確保できるのだが、半ばラッセルしているような状況で雪の抵抗が馬鹿にならないのだ。4輪各輪に的確な駆動力を与えなければ抵抗に負けて進めなくなってしまう。
しかも、である。「別荘地内の新雪路」のようであって、そうではなかった。
硬い層は氷盤なのだ。それも平板状に割れたような感じで凸凹している。氷盤と接地トレッド面の間に踏み締められた圧雪層が出来るのでグリップ力は極端に低下しないが、段差乗り越えや窪みに嵌る等々でスタックしやすい状況である。
オフロードコースなら中級くらいに相当する路面環境でもあり、当初は各輪への駆動力制御や横滑りやホイールスピン、ヨーコントロール等を総合的に制御するAWCを「4WDロック」にセットし、慎重なアクセルワークやコース取りで進める。勢いを使って乗り切る等々などのクロカン・テクも使う。
厳しい状況ながら、どれか1輪だけがホイールスピンして駆動力を失うこともなく、確実な踏破していく。踏み締める感覚を維持させるような細かいトルクコントロールがしやすく、運転感覚も「危なげなく」なのだ。
さすがに「2WD」は選択しなかったが、「4WDオート」でもとくに問題はない。「4WDロック」に比べると後輪へのトルク配分が少なめ、というか4WDクラッチの締結力が緩めな印象を受けるが、要所要所をしっかりと押さえている。「4WDオート」で走行し、ホイールスピンが目立つようになってから「4WDロック」に切り換えるという走り方でいいだろう。