国内試乗 ジャガー初のEV「Iペース」 「エンジン車らしさ」感じたワケ
公開 : 2019.03.29 18:10 更新 : 2019.03.31 10:37
Iペース 試乗した印象は?
とまあ、なかなか興味深いコンセプトのIペースだが、走ってみるとどうなのか。オレンジ色のファースト・エディションに乗って、横浜みなとみらいのホテルから首都高経由で大黒方面に向かう。
床下にバッテリーがあるためフロアが高めなキャビンに乗り込むと、そこはスポーティとラグジュアリーが適度にミックスされた、視覚的にも心地好い空間だった。
ブラックをベースに随所にクロームをあしらったダッシュボードやコンソールは、適度に斬新なデザインでまとめられているが、上からD、N、R、Pの順に大き目のボタンが並んだ走行系のコントロールは、最近のクルマとしては異例に使い易い。
試乗車はパフォーマンスシートという名のバケット風シートを備えていたから、そのシートの影響も若干あるけれど、走り始めたときの印象は、スポーティさを実感させるものだった。ステアリングの手応えは重めだし、アクセルペダルもやや重め、ファースト・エディションの脚は前記のようにエアサスペンションだが、これもふんわりとしたものではなく、フラット感の強い硬めの感触を持っている。
しかも試乗車は、選択できるなかで最大の22インチ径ホイール&タイヤを装着していたから、舗装の継ぎ目などでは若干バネ下の重さを感じることもあった。
しかしそれでも、不快なショックがボディに伝わってこなかったのは、ジャガー史上もっとも高いねじり剛性を実現したという、EV専用アルミニュームアーキテクチャーが強固な証拠だろう。
エアサスペンションは、乗降時には車高が40mm下がり、オフロード走行時には50mm上げられるというから、Iペースにクロスカントリー的用途を想定している向きは、それをオプション装着するといいかもしれない。
その一方で、のちに試したコイルスプリング仕様も、乗り心地に不満はなかった。フラット感はエアサスペンションほど明確ではないものの、装着タイヤが20インチだったこともあって路面の当たりは適度にソフトで、前期のようなオフロード走行などを想定しない一般的な用途であるなら、これで充分に快適だといえる。