フェラーリ、ポルシェに「値下がり」の傾向が出ています。オークション界のリーダー「RMサザビーズ」が、各時代を代表する極め付けのモデルを141台用意。リザルトをご紹介しましょう。

最高値はフェラーリ275 GTB

アメリアアイランド・オークションの最後を締めくくったのはRMサザビーズだった。他のオークションハウスがワンデイの開催だったのに対し、業界のリーダーだけにザ・リッツ・カールトンを舞台に2デイで行われ、1907年ストッダード・デイトン・モデルKラナバウトから2018年ポルシェ991 GT2 RSヴァイザッハまでの141台が用意された。

他のオークションハウスがモダンモデルを中心にした内容だったのに対し、RMサザビーズは各時代のアイテムカーをまんべんなく取り揃え、あらゆる層のファンに対応していたのが特徴。ちなみに戦前車は39台と3割近くを占め、ちゃんとアイテムカーを用意しているのはRMサザビーズならではといえる。

オークションを終えてみると「1965年フェラーリ275 GTB」の2億4696万円を先頭にいつもの顔触れが並んだ。しかしアメリアアイランドでのオークションだけに3台の戦前車がトップ10に入ったのは流石といえる。2位から10までの結果は、

1966年シェルビー427コブラ（2億76万円）
1930年デューセンバーグ・モデルJスウィープパネル・デュアルカウル・フェートン（1億8480万円）
2010年ブガッティ・ヴェイロン16.4サン・ノワール（1億6800万円）
2015年マクラーレンP1（1億6688万円）
1926年イスパノ・スイザH6Bカブリオレ・ル・ダンディ（1億5148万円）
1934年パッカード・トウェルブ・インディヴィデッアル・カスタム・コンバーチブル（1億4840万円）
2015年ポルシェ918スパイダー（1億3300万円）
1992年フェラーリF40（1億1391万円）
2017年フェラーリF12 tdf（1億826万円）

と、すべて1億円超えとなった。

フェラーリの値下がり　ポルシェでも

コレクターズカー・バブルが弾けて久しいが、昨今の経済の先行き不透明さから人気モデル以外は着々と値を下げている。その中にあっても評価されているのがフェラーリ275 GTBで、ピーク時はGTB/4で3億円半ば、GTBで3億弱まで上がったが、今も2億半ばで取引されている。60年代らしい流麗なスタイリングを備えるフェラーリのフロント・エンジン・ベルリネッタの極め付けとして評価されているためである。

しかし数のあるモデルとなると値下がり傾向がみられる。365GTB/4デイトナはかなり落ちてきており、特別な理由がないと以前の額では流れる傾向にある。同時代の365GTC/4は一時期5000万円超えを記録していたが、ここでは2196万円で終えている。

フェラーリの中でどちらかというと不人気車の612スカリエッティが3260万円で落札されているが、じつは超希少な6MT仕様なのである。生産されたほとんどが2ペダルのF1マティックで、筆者も始めて見るマニュアル車であることに加え、走行4800kmという状態が評価されたもの。ちなみにこれがF1マティックなら1000万円以下になっていたはずである。

このほか人気のメルセデス・ベンツ300SLだが、他のオークションにも出品されたことから比較して選ばれたため、ここでは2台とも流れてしまった。ポルシェ356スピードスターも最近値を下げており、最低落札が下げられていたがマッチせず2台とも流れている。

ここで人気を集めたのがベルギー製のボディを備える1962年ポルシェ356Bスーパー90ツイングリル・ロードスター・ディーテレンで、熱い入札が続き5231万円まで値を上げて決着が付いた。

ポルシェ911も落ち着いてきており、3000万円が付いていた1965年の最初期型は2128万円、1000万円オーバーだった1971年911Eタルガが879万円、最盛期は2500万円超えを記録した1974年911カレラ2.7 MFIも1694万円と値頃に戻ってきた。

RMサザビーズ・アメリアアイランド・オークション　結果一覧