450ps V8に四輪駆動 アウディRS5の中古車 高性能ゆえのメンテナンスとは
公開 : 2019.05.03 07:50
高性能の維持に欠かせないメンテナス
メカニカルな部分では大きな変更はなく、フェイスリフト前と同じ自然吸気のV型8気筒エンジンに4輪駆動システム「クワトロ」の組み合わされている。7速のSトロニックと呼ばれたデュアルクラッチATに機械式センダーデフを備え、MTの設定はなかった。ちなみにこのV8エンジンは、アウディR8の5.2ℓV型10気筒ユニットを源流にしている。リアタイヤの駆動は電子制御ディファレンシャルによって、オンデマンドでトルクが分配される仕組み。可変式ダンパーのダイナミック・ライドコントロールも標準装備となっていた。
しかし、この手のハイパフォーマンスモデルの中古車は安く買えたとしても、維持費はそうではない、ということを忘れないでおきたい。夢に描いていたクルマを中古車で手にしたオーナーが、最適な維持費を賄えず、クルマのメンテナンスが疎かになってしまう、ということがままある。気になったRS5の整備簿に、充分な記録が残っていないのなら、そのクルマからは手を引いた方が良いだろう。
しっかりした技術や知識を持ったメカニックは信頼できるものだし、RS5なりの弱点や特徴を知っていることは、トラブルを未然に防いでくれることにもつながる。例えば11万km毎に交換しておきたい、タイミングチェーンのテンショナーや、先述の吸気バルブの不調を防ぐカーボンクリーニングなどは、知らなければ見過ごしてしまうものだ。
カーボンが溜まる理由は、ブローバイガスを吸気系へ循環させるクランクケース・ベンチレーション・システムからの油分を含んだ空気が流入することが原因で、ガソリンによるものではない。インジェクションポート周りに発生する不具合となる。かなり技術的なことではあるけれど。
とにかくRS5との幸せなカーライフを過ごしたいのなら、ディーラーか専門店でのしっかりした整備記録が残っているクルマを選ぶということが大切。トランスミッションフルードの定期的な交換も忘れずに確認しておきたい。フォードの1.1ℓも良いけれど、450psを生み出すV型8気筒エンジンの素晴らしいサウンドに浸るのも悪くないと思う。