ロードテスト シトロエンC3エアクロス ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2019.04.06 11:50 更新 : 2021.03.05 21:42
結論 ★★★★★★★☆☆☆
「走りに卓越したところのない実用クロスオーバーだが、好ましいクルマだ」
C3エアクロスを購入しようというユーザーが、同じくらいの強い魅力を感じるクルマは、メインストリームなモデルの中にほとんどないかもしれない。この小さなシトロエンは強い個性の持ち主で、それが好みに合ったなら、長く乗り続けることになるだろう。しかしそのパフォーマンスやハンドリングの洗練性は、セアト・アロナに敵うものではなく、ターボモデルであっても、先進のスカイアクティブエンジンを積むマツダCX-3にパフォーマンスのさまざまな点で差をつけられてもいる。
とはいえ、ほとんどのユーザーがこのクルマで重視するのは見た目的にあふれる魅力だろうし、クラスベストに肩を並べる実用性や万能性を提供することだろう。
インテリアの質感やインフォテイメント技術の重要度は高まっているが、それに関してはまだまだといえるだろう。とはいえ、競合車の多くもその点では成功にほど遠い現状に鑑みれば、うまくいっているとみなせるほうかもしれない。洗練性はまずまずで、燃費性能は競争力があるので、ドライビングプレジャーに重きを置くのでなければ、購入を検討したり、試乗してみようとしたりするのを止める理由はまったくない。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィス
さすがはシトロエン、興味深い見た目のクルマのつくり方を心得ている。スタイリング面では味気ないライバル車が多い中で、C3エアクロスはデザイン面で実に際立っている。それは決して悪いことではない。
リチャード・レーン
インテリアは、まったく見るところがないというわけではない。車内にいるのは楽しいのだが、手触りがそれほど喜べないのだ。もうほんのちょっとだけコストをかけてくれればいいのに。
オプション追加のアドバイス
このセグメントではもっとも個性的な部類に入るクルマなのだから、エクステリアのカラーパッケージを最大限活用しないともったいない。フィール仕様は250ポンド(約3.8万円)、フレア仕様なら無償で追加できるこのオプションが、よりセンスのいいルックスに仕上げてくれる。
改善してほしいポイント
・インテリアに多用されている、テカテカした安っぽいプラスティックをどうにかしてほしい。
・デコボコの舗装路では、ダンピングが硬い。ユーザーはSUVに、もっと乗り心地がいいと期待している。
・タッチ式ディスプレイはうまくインテリアに溶け込んでいるが、もうちょっと位置を高くして、その下にエアコンの実体スイッチを設置してほしい。