消えゆく小型ハッチ ビジネスの足かせ? 絶滅の危機、救うには
公開 : 2019.04.07 07:50
これからもシティカーは必要
シティカーはSUVほど利益は見込めないかもしれないが、環境保全と増加する都市でのカーシェアリングの需要という自動車業界が抱える問題の解決策としては完璧な存在だ。
世界最大のEV市場で、排出ガスの問題を抱える中国で、販売されているEVの30%がシティカーであるのも偶然ではない。中国市場はこれからの世界の将来を示しているのだ。
時間はかかるかもしれない。だが、シティカーの生き残りにはこのほかに道がない。昨年シティカーのCO2排出量は欧州全体で105.5g/kmだった。2017年からは1.6g/km増加しているが、それでも一番低排出量のセグメントであることは間違いない。これに対して小型SUVは平均122.3g/kmだ。電動かに思った以上の時間がかかっている今、シティカーは短中期的な排出量削減に欠かせない存在だ。
実は欧州でのシティカー販売は堅調で、ここ7年は115万台から125万台をキープしている。2018年の市場シェアは8.9%から7.8%まで低下したものの、2000年から2007年よりは高いレベルだ。
シティカーの半分近くはレンタカーや社用車なため、他のセグメントに比べると利益率が低い。しかし、労働力が安い地域の工場で生産されたり、合弁企業で開発されていることを考えると、その一部は相殺されるだろう。
シティカーには確実に未来があるのだ。