試乗 BMW 7シリーズ 750Li xドライブ G11型、壮観な車内と走りを両立
公開 : 2019.04.08 10:40
主要市場志向のフロントグリル
大きなボディサイズを持つBMW7シリーズだが、メルセデス・ベンツSクラスほど、狭い道でと取り回しに苦労するということもない。7シリーズの方が最小回転半径で優れているうえ、クルマの取り扱いのしやすさも、優れているからだろう。見かけほどラゲッジスペースは大きいわけではないものの、このクラスの平均点は取っており、500ℓを超える容量は確保されている。
気になる点といえば、スピードバンプや橋脚の継ぎ目などで、シャシーはライバルほど完璧な仕事をしてくれないこと。だとしてもコンフォートプラス・モードにしておけば、滑らかな欧州の高速道路では卓越した乗り心地を味わわせてくれる。
最後に、この目立つフロントグリルについては賛否が分かれそうだ。綺羅びやかで目障りなものではないとしても、私の印象としては、エレガントだとも思えない。しかし、新しい7シリーズの半分を売り上げるであろう中国市場を考えてみると、納得もできる。そのオーナーの平均年齢は38歳だという。彼らは自らのステータスとして、5シリーズを超えるクルマとしての存在感を欲しており、BMWとしてもその嗜好を無視することはできないからだ。
一度乗ってしまえば、フロントマスクに付いた大きな1対のグリルを目にすることはないし、新しい7シリーズでの大きな飛躍はインテリアの質感にあるから、さほど気に留めることもないのかもしれないけれど。