劇中車あつかう男 インタビュー 知られざる困難 意外な裏話も
公開 : 2019.04.14 16:50
操作の難しいクルマも
ブラッド・ピットの時には、使用するモデルTの操作方法について演者に教えるのに彼が必要だった。これには大きな責任がつきまとう。扱いに慣れない人が運転すれば、モデルTのようなクルマには致命的なことが起こりかねないからだ。
彼はわたしに、モデルTの操作について簡単なレッスンをしてくれた。エンジンを掛けたらハンドブレーキを中央にセットし、左のギアチェンジペダルを押し込む。次にステアリングホイール上のハンドスロットルを開け、反対側のイグニッションを前に動かす。そうすればクルマは前に動き出すので、スピードを上げたらハンドブレーキを少し前に動かし、左のペダルをトップギアに入れる。
止まる時には左のペダルを静かに踏んでトランスミッションをニュートラルにする。問題は自信満々の俳優の場合ペダルをいきなり踏みつけ、ファーストギアに入れて演者や監督の方に突っ込んでいくこともあり得ることだ。
「このようなクルマの運転には多くの練習が必要です」とケビンはいう。「十分な時間や忍耐力のある俳優はほとんどいません。しかし、『ダウントン・アビー』で運転手役を演じたアラン・リーチは、実にうまくこのクルマを運転します」