ディフェンダーの「精神的後継」 BMWがエンジン供給 2021年欧州販売
公開 : 2019.04.08 11:50
どんな僻地にも走って行けるクルマに
「実用性を最優先していないSUVのようなクルマにはならないでしょう」とテナントは言う。彼によれば、全てが機能に基づく、明確な目的のために作られたクルマになるという。
アフリカやオーストラリアのような市場でも本当に信頼できる道具として働き、非政府組織にも使われるようなクルマ。メンテナンスも簡単で、質の低い燃料でも走り、どんな僻地にも走って行ける。そんなクルマになるという。
インテリアも機能性に基づいてデザインされる。床には水抜きのプラグを備え、耐水性の高い素材が使われる。厚手のラバーが張られ、レザーは耐久性が高く機能性が優れた品質のものだけが使われる。キャビンのエルゴノミクスは初代ディフェンダーを大幅に改良したものになる。
様々なカスタマイズが可能なアフターマーケットの用品も検討されている。例えば、取り外し可能なボディパネルなども考えられているようだ。これに関しては、FCAのモパーと似たビジネスモデルになるだろう。
有名カーデザイナーからの助言も
フルサイズのクレイモデルは既に完成しており、現在は承認前の最終段階に向けて、磨きが掛けられているところだ。イネオスはプロジェクト・グレナディアのルックスに関して、シュトゥットガルトにある外部のデザイン会社と共同で作業を行っているが、有名カーデザイナーから助言も得ているようだ。
同社ではこれらのモデルを世界的に拡がる販売網を使って直接販売しようとしている。それぞれの市場で販売される実際の台数はごく少ないだろう。
まずは最初の新型車を欧州で発売し、それからアフリカやオーストラリアなど「残りの地域」に拡げていく計画だ。米国は法的規制が異なるため、さらに遅れる。中国での発売は市場への参入に様々な難問があるため、今のところ予定されていない。
将来的には、イネオスから他の乗用車やバンなどのモデルが出る可能性を、テナントは否定しない。しかし、プロジェクト・グレナディアには長期的に集中し、世界中でその派生モデルを販売することに力を注ぐ。