英国ツーリングカー選手権開幕 いまが最高の時? 今年も激しいバトル期待
公開 : 2019.04.13 16:50
まるで綱渡り 運を味方に
まるで綱渡りだ。「昨シーズンの終わりには、肉体的にも精神的にも追い詰められていました。3月から10月までトップを守り続ける必要があり、シーズン終盤に向けてプレッシャーがどんどん高まってきました。シーズンで勝利したドライバーの数は17人にも上り、わたしが勝利したのは1度だけでした」と、ターキントンは話す。
「ポイント獲得とリタイヤのギリギリのラインを攻めるべく、精神的なタフさが要求されました。ブランズハッチでタイトルを決めた時には、勝利を喜ぶエネルギーなどほとんど残っていませんでした。タイトル獲得を喜ぶことが出来るようになったのは、数日が経ってからです」
ニールも同じような意見を述べている。シーズンに臨むときの気持ちを尋ねると、慎重に言葉を選びながら、「楽観というのがもっとも適切です」と彼は言う。「自信があるとは言えません。確信にはほど遠いからです。30ものレースを戦い、常にギャンブルを強いられるのです。『攻めるべきか引くべきか? その結果は吉と出るか凶とでるか?』といった状態です。タイトルはどれだけ運が味方してくれたかどうかで決まります」
ゴウによれば、カギは長年にわたって改良を重ねてきた現在のレギュレーションにあると言うが(例えば、今シーズン、勝利したチームに課されるサクセスバラストの重量は削減されることになっている)、
それでも、ルールそのものに変わりはない。
さらには、レースそのものの価値、ITV4によるTV中継、そしてその観客動員数によって、一流のスポンサー企業を集めることにも成功している。
「なかには、われわれがやっているのは純粋な競争ではなく、見せかけだと言うひともいます」と、ゴウは話している。「それでも、純粋なレースだからと言って、F1に目を向けたとしても、確かに技術的には最高峰ですが、必ずしも決勝で激しいバトルが楽しめるという訳ではありません」
「われわれのルールは楽しめるレースにすることが目的であり、それを否定するつもりはありません。すべてのチームに対して公平であり、このルールが上手く機能していることは、世界中で同じようなレギュレーションが適用されていることが示しています」