アルピナ・マジック、SUVでも成立? ディーゼル「XD3」国内試乗
公開 : 2019.04.09 10:10
背が高くともアルピナなのか?
クルマの主役がセダンからSUVに変わろうとしている(もう変わった?)昨今においても、アルピナの本懐はセダン(彼らはリムジンと呼ぶ)にあると信じて疑わないファナティックは多い。
ディーゼルが市民権を得てもなおアルピナといえば官能的ガソリン・ユニット! 筆者もそんな感覚の持ち主である。
けれど今回、新型XD3に乗り込み、ヴァーネスカ・レザーが奢られたカチッとしたシートと、しっとりと柔らかいラヴァリナ・レザー張りのステアリングを握ってしまったら、もう四の五の言わずにアルピナを楽しもう! という気にさせられる。
ラヴァリナ・レザーはセミアニリン革の一種だが、自動車世界にこれ以上の手触りがあるだろうか! という質感である。
新型XD3は走りはじめから特異な感触を示す。M40d比で言えばタイヤのコンタクトはしなやかだが、かなり強くロールが抑え込まれ腰高感の払拭に成功している。
試乗車は標準の20インチからオプションの22インチ・ホイールに変わっているので直進性が強く、それがツアラー的な個性を生み出している。
車検証上の車重は2120kgもあるが、それでも身のこなしは極めて軽快。その鍵はアシのセッティングというより、むしろエンジンにある。