試乗 メルセデス-AMG GT Rプロ ニュルのタイム7秒カット 限定750台
公開 : 2019.04.10 11:20 更新 : 2019.04.10 15:25
疑う余地なくサーキットに最適化
しかし、間違いなくドライバーが夢中になる、スリリングなマシンでもある。サスペンションの設定を変更できるという点はクルマの性格に幅を持たせてくれるし、レースエンジニアの様に思考的な楽しみ方も与えてくれる。速く走らせることがとりわけ難しいわけでもなく、ドライバーに脅威を味わわせるようなクルマでもない。
例えコーナーにオーバースピードで突っ込んでしまっても、フロントタイヤが押し出される程度で、その先の挙動は充分予測できる範囲にある。トランスアクスル・レイアウトのおかげでトラクションの掛かりも良く、知的な電子制御のLSDの助けもあり、右足を深く踏み込むだけでみなぎるパワーを容易に引き出すことができるだろう。
GT Rに初めて搭載されたマルチステージ・トラクションコントロール・システムの存在も大きい。サーキットの路面や天候などのコンディションに最適な設定に調整できるうえに、スキルに合わせた安全面と楽しさとのバランスも意のままだ。
サーキットならバケットシートと4点ハーネスの本領も発揮できるし、極上のドライブトレインと雷鳴のようなサウンドトラックを、心置きなく味わうことができる。疑う余地なく、通常のGT R以上に、GT Rプロはサーキットに最適化されたクルマに仕上がっている。