ロードテスト メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.04.20 09:50

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

乗り込みやすく、使いやすいリアシートよりも、ゆったりしたクルージングにおける洗練性にプライオリティを置くなら、S560クーペを購入したほうがいい。もっとも、AMGにこだわりがあるのならその限りではないが。

決して巡航時に騒々しいクルマではないが、113km/hで72dBという計測値は、コンチネンタルGTの66dBにはかなり見劣りするし、M5よりも大きい。ノイズの音源がひとつならずあるということは明白で、会話を妨げるほどのことはないのだが、AMG独自開発モデルの常として、風切り音とタイヤノイズ、さらにはエンジンの振動音がキャビンに侵入してくる。

サウンド面の処置に巧妙さが欠けているとしても、乗り心地に関しては別の話だ。AMGのパフォーマンスシートならばわかるが、テスト車に装備されていた標準シートでも十分以上にサポート性があり、しかもこの上なく快適である。たとえマッサージ機能が、飛行機のシートで後ろから突かれているような感じだったとしても。

乗り心地のクオリティも、外観から予想されるそれを裏切るものだ。場合によっては尖ったものを感じるが、それもあくまでソフトで、しかもCLS53や、その他多くのスーパーサルーンに比べればまれにしか起きない。足取りは速く、ウェールズの山あいを走らせたとあるテスターは、ロンドンまでならM5に乗るかもしれないが、はるかアファルターバッハまで向かうならこちらで、しかも道中くまなく楽しめると口にした。

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