フォード・フォーカス1.6 TDCi エコネティック・ゼテック
公開 : 2013.05.17 15:19 更新 : 2017.05.29 18:55
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲンのブルーモーションに対抗する、フォード・フォーカスの新しいバージョンが、このエコネティックだ。エコネティック・ブランドのひとつである1.6ℓのデュラトルク・ディーゼルは、新しいエンジンではないが、フォーカスに搭載されるにあたってブルー・オーバルのエンジニアによる見直しが行われ、今までのどのフォーカスよりもロー・エミッションなパワー・ユニットとして積まれることになった。
コモンレール・フューエル・インジェクション、可変ジオメトリー・ターボチャージャー、冷却システム、ファイナル・ドライブ・レシオなどが燃料効率を上げるために修正されている。そのパワーは、他のフォーカスに搭載されているデュラトルク・ユニットよりも10bhp低い。しかし、ピークトルクの値は27.5kg-mと変わりないままだ。そしてその燃費は27.0km/ℓをマークする。
今回試乗したのは豪華なゼテック・トリムだったが、シンプルなエッジ・トリムにエアロダイナミック・パッケージ(アクティブ・グリル・シャッター、アンダーボディ・シールディング、超低抵抗タイヤのセット)をつければ、その燃費はハイブリッド・モデルに近い29.4km/ℓとなり、CO2排出量も88g/kmとなる。
■どんな感じ?
制限速度内で走るには静かで、しなやかで、実用的なクルマである。それは、われわれがテストした以前のバージョンのフォーカス・デュラトルクとほぼ同じ印象だ。ただし、スタートはそんなに得意ではない。というもの、全体的に低回転を使用するハイ・ギアードなセッティングだからだ。しかし、エコ・モードであってもフレキシビリティは非常に高い。
1速、2速ギアで2500rpm以下は静かではあるが、若干オーバー・ワーク気味であると感じられる。しかし、一旦スピードに乗ってしまえば、その上の4つのギアでは不満はない。
高速道路では、例えば4速48km/h、5速64km/hといった巡行では、デュラトルク・エンジンはステアリング・ホイールに荒々しい振動を与える。しかし、その振動と引き換えの利点もある。約80kmのテスト・ルートでの燃費は22.1km/ℓを実測したのである。1350kgのハッチバックが、それだけの燃費をもたらしたことは、実に印象的だ。
■「買い」か?
クルマにパワーを求めるのであれば、エコネティックは相応しいクルマとは言えない。このモデルは、単純に優れた燃費をもつ単細胞生物にも例えられるかもしれない。このエコネティックは、1.0ℓ3気筒のエコブーストよりも遥かに安いライニング・コストを誇る。燃費の良い5ドアのディーゼル・ハッチバックを望むのであれば、まさにピタッリな1台であろう。
(ニック・カケット)
フォード・フォーカス1.6 TDCi エコネティック・ゼテック
価格 | £19,145(298万円) |
最高速度 | 186km/h |
0-100km/h加速 | 11.8秒 |
燃費 | 27.0km/ℓ |
CO2排出量 | 99g/km |
乾燥重量 | 1350kg |
エンジン | 直列4気筒1560ccディーゼル |
最高出力 | 103bhp |
最大トルク | 27.5kg-m |
ギアボックス | 6速マニュアル |