MG 5 1.5
公開 : 2013.05.17 15:57 更新 : 2017.05.29 18:08
■どんなクルマ?
今年の末に英国で発売される予定のMG5ではあるが、その中国における親会社、SAICは、日産キャシュカイのライバルとなるSUVの開発に夢中で、それ以降のアナウンスがないというのが現実だ。しかし、このMG5は2011年の上海モーターショーですばらしいファンファーレと共に登場した、フォード・フォーカスのライバル・モデルなのだ。
■どんな感じ?
今回の試乗は、なめらかな表面から凸凹な表面まで揃えられ、2つのコーナーと長いストレートという中国にあるMGのテストコースで行われた。また、その車両は完全に中国仕様であった。したがって、結論は慎重に扱わなくてはならない。
少なくとも、MG5はそのスタイリングにおいてはアピールがないわけではない。エクステリアは充分に魅力的で、インテリアも充分なスペースがある。クローム・ストライプが装着され、フィニッシュも良い。ただし、望遠鏡のようなステアリング・ホイールなどいくつか問題があるものはあるが、基本的にはスペースや機能については満足ができるものだ。
装備されるエンターテイメント・システムは、CDプレイヤーが存在せず、AUX入力とSDカード・スロットがあるだけだ。もはや中国のユーザーにはCDは受け入れられないようだ。また、そのコントロールはステアリング・ホイールに付けられたコントローラーで制御される。
1.5ℓのVTiエンジンは、107bhpのパワーと13.8kg-mのトルクを持つ。これに5速マニュアル・ギアボックスが組み合わせられる。そのパフォーマンスは、0-100km/h加速が13.5秒と絶望的だ。平均的には洗練されていると言えなくもないが、高回転ではノイジーだ。また、劇的な凹凸を持つ路面以外では乗り心地は良いが、ステアリングのフィールが乏しく、適度なコーナリング・ペースであってもステアリング・ホイールに振動が伝わってくる。MGというブランドの輝かしいネーミングからすれば、それはあまりにも酷いものということができよう。
■「買い」か?
今回の試乗した感じからすれば、このMG5を英国向けに熟成させるよりも、SUVの開発を優先させるというSAICの判断は正しいのかもしれない。MG5を英国市場において競争力を持たせるためには、かなりの仕事が必要だ。但し、MG6が素晴らしい乗り心地とハンドリングを持つクルマになっているという実績は考慮しなくてはならない。
今回のテストコースは決して完璧ではなかった。従って、結論をはっきりだすのはここでは控えようと思う。
(ジム・ホルダー)
MG 5 1.5
価格 | NA |
最高速度 | 170km/h |
0-100km/h加速 | 13.5秒 |
燃費 | 18.2km/ℓ |
CO2排出量 | 130g/km |
乾燥重量 | 1280kg |
エンジン | 直列4気筒1500cc |
最高出力 | 107bhp/6000rpm |
最大トルク | 13.8kg-m/4500rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |