自動車メーカーを救ったモデルたち 18選 前編
公開 : 2019.05.11 09:50 更新 : 2019.05.13 18:07
メルセデス・ベンツ300SL(1954-1963)
後世の記憶に残るクルマとしては、メルセデス300SLほど重要で、成功したクルマはないだろう。当時メルセデスの大型モデルは1930年代の設計に即したもので、小型モデルは実直ながら退屈だったため、300SLの開発には多くの熱意を必要とした。
レーシングカーの血筋を持ち、ガルウイングを備えた300SLはインジェクションエンジンを搭載し、最高速度は217km/hを誇った。あらゆる点でセンセーショナルなモデルで、メルセデスに対する印象を180度変えた存在だった。
1957年に1400台のガルウイングモデルが生産された後は、ロードスターモデルに引き継がれた。リアサスペンションの改良やシャシの剛性、乗降性の向上によってさらに魅力的なクルマとなり、非常に高価ながら1856台が販売された。
300SLの技術は主力モデルにも採用されるようになり、メルセデスはその後、技術と安全性で革新を続けるメーカーとなった。