ロードテスト ジープ・ラングラー ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.04.21 09:50

内装 ★★★★★★★☆☆☆

ラングラーのキャビンのパッケージは、平均的なミディアムサイズのSUVよりややタイトに感じられ、とくにフロントシートはよりぴったりしたサイズだ。ドアの開口部は思ったより狭く、サイドシルが高いので、乗降には支障を覚える。着座位置の高いシートに収まると、レッグルームや足元のスペースはクラス標準より少しばかり狭い。とはいえ、もっとも背の高いテスターが座っても、なんら問題はなかった。このトリックが、これはただのミドル級SUVでは決してないということを思い出させてくれる。それを知ることがこれっぽっちも難しくないのには、さまざまな理由がある。

まず、フロントウインドウを倒せるクルマが、ラングラー以外にどれだけあるだろうか問いたい。このジープなら、マルチツールを用いて5分で完了する作業だ。4枚のドアが、それぞれ脱着可能だというのも同じことがいえる。また、ジープがフリーダムトップと呼ぶ3ピースのモジュラー式ハードトップは、このクルマではボディ同色となるが、完全に取り払うことができるのだ。電動ソフトトップや、サンライダーと呼ばれる手動の簡易ハードトップもオーダーできるが、どちらもフリーダムトップより素早く簡単にフルオープンにすることができる。

日常使いするなら、居住性そのものが気になるところだが、快適性や利便性だけでなく質感でも、過去のラングラーからの改善ぶりは決定的だ。ただし、プレミアムブランドのSUVと見間違えられそうな部分はどこにもない。レザーの心地よさは必要十分といったところで、モールド成型のプラスティックはクラス水準からすれば硬くテカテカしているものの、頑丈そうで不快ではない。FCAの共通パーツを用いたようなスイッチ類は、思った通り味気なく、ちょっとばかりチープだが、レイアウトは合理的で使いやすい。

後席のスペースは、大人が乗るにも問題なく、概ね競合モデルにも張り合える広さがある。リアシートを倒して、通常時で548ℓの荷室容量を拡大することももちろん可能だ。気をつけるべきはサイドヒンジのバックドアで、後向き駐車の際には、壁や他車に近づきすぎると荷物の積み下ろしに苦労することになる。

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