スコダ・スペルブ・エレガンス 2.0TDI 170 DSG
公開 : 2013.05.18 16:42 更新 : 2017.05.29 18:40
■どんなクルマ?
バーゲン・プライスが付けられたフォルクスワーゲン・パサートの兄弟モデルが、スコダ・スペルブだ。パサートよりもホイールベースが100mm延長されたこのモデルは、2008年にデビューを果したモデルで、この7月にフェイスリフト・バージョンが英国に届けられることになる。アイキャッチなスタイルと装備の充実、そしてCO2排出量が改善されたモデルで、価格はほぼ据え置きになる予定だ。
■どんな感じ?
サイズはスペルブにとって重要なポイントだ。同価格帯にあるクルマで、リアのパッセンジャーのためのスペースやブート・スペースにおいてこのスペルブに匹敵するモデルはない。ここ数年、この手の大きなサイズのクルマにもファッション性が求められたことも影響して、英国でのスコダの売上の10%を占めるにまでいたり、2013年は60,000台の販売が見込まれる。
英国のブランド・ボス、アリスダー・スチュワートは、今年後半に発売がされる税制に有利になるCO2排出量が減少されたエンジン(例えば104bhpを発揮する1.6ℓターボ・ディーゼルのグリーンラインIIIエンジンは109g/kmなどモデルによっては19%も削減される)を得たことによって、印象的な4.83mという全長のボディ、そして1.5トンを切ったボディ重量を持つスペルブの販売は伸びると予想している。
グリルとフロントとリアのライトをリデザインしたエクステリア・スタイル、リフレッシュされたインテリア、ブーツリッドとハッチを別々に開けることのできるユニークなダブル・オープニング・テールゲートの採用、そしてCO2の排出量を少なくしたことなど、ビジネス・ユーザーにとっても大きな魅力となる。
グリーンラインIIIという超経済的で税制に優れた1.6ℓディーゼル・エンジンを搭載したエントリー・レベルのSグレードは、低抵抗タイヤ
、アイドリング・ストップ、エアロダイナミクスに優れたボディなどによってスタンダード・モデルより8g/kmよりもCO2排出量が少なく、燃費は23.8km/ℓになる。
今回テストしたのはベストセラーの2.0ℓターボ・ディーゼルで、パワーは168bhp。6速デュアル・クラッチ・ギアボックスが組み合わせられたモデルだ。
オーストリアのビリヤードのテーブルのような滑らかな道ではその判断は難しいが、スムーズでより静かになったように思える。確かに、スペルブは非常に洗練されただけでなく、オリジナル・モデルから失ったものも何もない。スペルブはプレミアムというジャンルではないが、フォルクスワーゲン・グループには残念ながら洗練されていないクルマを製造する方法を知らないので、自然と洗練された乗り心地が与えられているというわけだ。サスペンションはソフトで、ダンピングも効いており、その快適さは£40,000(620万円)クラスのクルマに匹敵する。
唯一の問題は、限界に近いところで、ボディ・ロールが大きくなり、アンダーステアが顔を出すことだ。しかし、シャシーには標準で電子的なトラクション・コントロールがされているので、テールが飛び出すようなことはない。
パフォーマンスは0-100km/h加速が8.6秒で、燃費は18.9km/ℓ、CO2排出量は139g/kmだ。
■「買い」か?
本当に大きなキャビンとロード・キャパシティが必要であれば、コストや装備、クオリティなどを考えればスペルブは正しい選択肢となるだろう。ライバルはフォード・モンデオとなろうだろうが、モンデオはそのライフライクルが終盤となったモデルだ。但し、スコダよりもそのボディ内部は大きいが。
(スティーブ・クロプリー)
スコダ・スペルブ・エレガンス 2.0TDI 170 DSG
価格 | £27,075(423万円) |
最高速度 | 222km/h |
0-100km/h加速 | 8.2秒 |
燃費 | 18.9km/ℓ |
CO2排出量 | 139g/km |
乾燥重量 | 1497kg |
エンジン | 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 168bhp/4000rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/1750-2000rpm |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |