アルピナB6ビターボ
公開 : 2013.05.18 21:00 更新 : 2017.05.29 18:24
■どんなクルマ?
噂によれば、次にアルピナから登場するビッグ・モデルは、6気筒のツインターボ・ディーゼル積んだD3だという。このD3は、その高いパフォーマンスと18km/ℓ以上の燃費を兼ね備えたモデルだ。しかし、そのD3は年内には間に合いそうもない。
ということで、アルピナは熱心なユーザーが望んでいるハイ・パフォーマンス・モデルとして先にB6ビターボをデビューさせた。そのフロント・フードの下には、532bhp/5200-6250rpmのパワーと、74.4kg-m/2800-5000rpmのトルクを持つ4.4ℓV8ツイン・ターボ・ユニットが収まる。ギアボックスはベースとなった6シリーズのZF製の8速オートマティックを基本的には流用するが、サーキット走行などといった特定のモードでは容易にシフトアップしないような独特のチューニングがアルピナのエンジニアによって施されている。
また、シャシーもオリジナルのチューニングがされている。コンフォート・モードではレギュラーのBMWよりソフトにし、逆にスポーツおよびスポーツ・プラス・モードでは通常のBMWでは許されないようなハードなセッティングとなっている。
インテリアは遥かに高級な本革シートが取り付けられる他、様々なオプションが用意されている。もちろん、それには莫大な費用も要求されることになるのだが。
■どんな感じ?
オリジナルの20インチ・タービン・ホイールのみならず、10%リフトを減らすフロント・スピリッター、小さなリア・リップ・スポイラー(もし派手なスタイルが望みならばティートレイ・ウイングも用意される)、そしてリデザインされたリア・ディフューザーなどによって、そのパフォーマンスの高さを誇示する。
B6ビターボは驚くほど速い。どんなエンジン回転数からでも、どんなギアでも莫大なトルクでぐいぐいと引っ張っていく。トランスミッションのマネージメントを、BMW M6よりも素晴らしく、スムーズで無駄のないパワーの伝達を行う。エグゾースト・ノートも気持ちのよいもので、聞いていて気持ちの良くなるようなサウンドを奏でる。
シャシーのモディファイがされたにも関わらず、B6は大きなクルマにありがちな動きを見せる。1870kgのボディ・ウエイトによるイナーシャが大きいのだ。特に、ブレーキング時にはそれを感じる。また、ステアリングのタッチも、フィードバックが少ない。
■「買い」か?
B6ビターボは純粋なスポーツカーと言うよりも高速クルーザーだ。6シリーズにほんの少しのプラスを望むユーザーにとっては、好ましい選択だ。但し、£92,850(1,453万円)は高価であることは間違いない。それだけの対価を払える人のためのクルマなのだ。
(スティーブ・サトクリフ)
アルピナB6ビターボ
価格 | £92,850(1,453万円) |
最高速度 | 320km/h |
0-100km/h加速 | 4.3秒 |
燃費 | 10.7km/ℓ |
CO2排出量 | 219g/km |
乾燥重量 | 1870kg |
エンジン | V型8気筒4395ccツイン・ターボ |
最高出力 | 532bhp/5200-6250rpm |
最大トルク | 74.4kg-m/2800-5000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |