自動車メーカーを救えたかもしれない、輝いて消えたコンセプトカー 前編
公開 : 2019.04.20 05:50 更新 : 2020.12.08 10:40
マーキュリー:メッセンジャー(2003年)
マーキュリー・メッセンジャーは、2003年に登場したコンセプトカーだが、デザインを担当したのはジェリー・マガバーン。彼は今はランドローバーでデザイン・ディレクターを務めている。エクステリアデザインは、2000年代のすべてのマーキュリー・ブランドのクルマに展開される意図があった。「マーキュリーはデザイン主導型の自動車ブランドになるべきです。マーキュリーのDNAは、エネルギッシュで個性的で、知的でカリスマ性を備えたクルマづくりにあります」 ジェリー・マガバーンはコンセプトカーのお披露目の後にこう述べている。
メッセンジャーは、マーキュリーが長い間望んでいた、強力なV8エンジンに見合うほど速く走りそうな、ひとびとが振り返って見たくなるようなクルマ像を備えていた。当時の関係者の話では、プラットフォームはフォード・マスタングのものを共有することで、量産化の可能性にも触れていたが、プロジェクトが青信号に切り替わることはなかった。残念なことに、マーキュリーは2011年に最後を迎えるまで、退屈なクルマを作り続けることになった。
後編へ続く。