自動車メーカーを救えたかもしれない、輝いて消えたコンセプトカー 後編

公開 : 2019.04.21 05:50  更新 : 2020.12.08 10:40

サターン:フレクストリーム(2008年)


今はなきサターン社のコンセプトカー、フレクストリームは生まれた時代がいささか早すぎた。クルマのプロポーションは比較的背が高く、ハッチバックとミニバンをかけ合わせたようなデザイン。ドアミラーの代わりにカメラ映像を写すモニターが付き、ドライプトレインはプラグイン・ハイブリッド。サターン社と、その親会社のジェネラル・モータースにとって、2000年代後半に必要としていた先進技術のデモンストレーション的な要素もあった。

「フレクストリームはサターン社の未来の特徴を明確に示したモデルです。将来の量産モデルへと展開していくでしょう」 と、このコンセプトモデルが発表された2008年に配られたプレスリリースには記されている。しかし実際は、その2年後にはサターン・ブランドは消滅してしまう。そして2019年の今でも、アメリカ市場ではリアミラーの代わりにカメラ映像を使用することは合法となっていない。

一方で同じジェネラル・モータースの子会社、オペルも独自のフレクストリーム・コンセプトを発表した。当時、ジェネラル・モータースはサターンとアライアンスを組ませることで、スケールメリットを生み出そうとしていたのだ。そちらも量産化には至らなかったが、2012年のオペル・アンペラにその面影を見ることができる。パワートレインはハイブリッドで、ヘッドライト周りのブーメランを形どったようなデザインが特徴的だ。

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