自動車メーカーを救えたかもしれない、輝いて消えたコンセプトカー 後編
公開 : 2019.04.21 05:50 更新 : 2020.12.08 10:40
クライスラー:200C EV(2009年)
コンセプトカーのクライスラー200C EVは、かなり誤解を招く名前だといえる。そもそもEVと名乗っているが、純EVではなく、プラグイン・ハイブリッド・ビークル(PHEV)で、ターボ過給される2気筒エンジンと268psの電気モーターが組み合わされている。ただし加速力は充分で、航続可能距離も640kmと不足はない。
2009年当時、クライスラーはプラグイン・ハイブリッド技術を量産車に搭載するのはまだ数年先だと認めていた。一方でコンセプトカーのハンサムなエクステリアデザインは、生産モデルに近い内に反映してくことを示唆していた。その後、200C EVはクライスラー版「ボルト」の量産化への足がかりになった可能性はあるが、同社が破産したことでプロジェクト自体もストップしてしまった。
ちなみに「200」という名称は、2011年から2017年にクライスラーのエントリーモデルに用いられたいたものだが、販売も好調ではなく、2009年風のコンセプトとも思えないものだった。