快適なクルマ、定義とは? 10個のチェックポイント ベスト/ワースト車も

公開 : 2019.05.12 09:50  更新 : 2021.03.05 21:42

ステアリング ノイズ対策

ほとんど注目されていないが、ステアリングも快適性に大きな影響を及ぼしている。クイック過ぎるステアリングはクルマをナーバスに感じさせ、逆にレシオが低すぎれば、ドライバーには必要以上のステアリング操作が求められる。

可変レシオであれば、直線状態ではステアリングのレシオを落としつつ、センター以外のポジションではクイックな特性を与えることで、よりそのクルマを機敏に感じさせることが可能であり、素晴らしいアイデアに思えるが、セッティングを間違えば、単にそのクルマのステアリングは一定ではないということになってしまう。

同じく、路面の状況を正確に伝えてくるステアリングであれば、安心感を得ることができるが、それが、キックバックのような形で現れると、まったく快適さを感じるどころの話ではない。

さらに、ボディ骨格やサスペンション、ドライビングポジション、シート、さらには視界といったものに注意を払えば、それだけで快適性が実現出来るということでもなく、そこに近づいたわけでもないというのだから、クルマの設計というのは難しい。

ソーンダースは、「ウインドノイズとサスペンションノイズの適切な処理」が、彼にとっては重要だと言い、クロプリーはさらに突っ込んだ見解を持っている。「ノイズが快適性にもたらす影響は非常に大きく、同じような道を同じような速度で走ったとしても、そのどちらかでイヤープラグをしていれば、そちらのほうがよりスムーズな乗り心地に感じられます。同じような理由から、個人的には、ウインドノイズとロードノイズというものは、快適性にとっての敵であり、特にポルシェがそうですが、なぜドイツのメーカーのなかに、ロードノイズに注意を払わないところがあるのか不思議でなりません」

だが、問題の解決がそれほど簡単ではないとしても、まさに同じ理由から、わたしは非常に洗練されたキャビンを持つ最新鋭の飛行機の中で、眠ることが出来ないでいるのであり、非常に静かな航空機内で、他のパッセンジャーが発するいびきを聞かされるよりも、ある一定レベルの騒音に囲まれていた方が落ち着くのだ。

同じように、初めてロールス・ロイスファントムに乗ったとき、あまりの車内の静かさに聞こえて来たのはタイヤノイズだけであり、しかもそれが並走する他の車両が発するものだったことに気付くまでに、しばらく時間が掛ったことを覚えている・・・

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